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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年9月11日 O.A.

#176 マラケシュ発 高原の青い町へ

モロッコ

地図

今回の旅は北アフリカのモロッコ。エキゾチックな大都会マラケシュを出発したバスは海へ山へ。様々な表情をみせるモロッコの町や人との出会いを繰り返しながら、750kmを駆け巡ります。

マラケシュ

道ゆく人に教えてもらったこの町のおすすめは、「この世のすべてのものが集まる」というジャマ・エル・フナ広場。訪れた広場でまず目にしたのはコブラを操るヘビ使い!他にもスパイシーなエスカルゴを食べたり、不思議な衣装に身を包んだ水売りのおじさんに遭遇したりと面白い体験ばかり。露店のお兄さんに勧められて、サフィという海沿いの町へ向います。

サフィ

マラケシュを出発したバスの車内で乗客が教えてくれたのは、サフィはイワシが新鮮で世界でいちばん美味しい!という耳寄り情報。そして到着したサフィの広場では、モロッコ料理の定番、タジン鍋の巨大なモニュメントを発見。町の子供たちが言うには「イワシのタジン鍋は最高!」とのこと。期待が膨らみます。翌朝、漁港を訪ねると黒山の人だかり。ちょうど揚がったばかりの超新鮮イワシの競りの真っ最中でした。その後、町のタジン専門レストランで新鮮イワシのツミレタジンに舌鼓をうちました。

首都ラバト

タジンレストランのおじさんが勧めてくれたのが、モロッコの人々が憧れる理想郷・シャフシェウエンという町。ずっと北の山の中にあるんだそうです。サフィからの直行便は出ていないそうなので、首都ラバトまで行ってバスを乗り継ぎます。到着したラバトはさすが大都会。ヨーロッパのような町並みが印象的です。海辺まで歩くと美しい夕日が沈もうとしていました。この日はラバトに宿泊。

シャフシェウエン

この町に到着してまず気がついたのは、町中の家々の壁が、薄い青色に塗られていること。祖父の代から大工の棟梁をしているというおじさんに聞くと、青壁には強い日射しをやわらげて目を守るという意味があるそうです。迷路のような路地をさらに進んで行くと、町はずれに美しい滝が流れていました。澄みきって水量も豊かな滝のまわりには沢山の人達が泳いだり日光浴をしたり。思い思いにゆったりとした時間を過ごしています。旅の終わりに町を見下ろす丘に登ってみると、淡いブルーの町並みが山裾の斜面に広がっていました。清涼な水が流れる豊かな自然と、静かで趣きのある町の佇まい。モロッコの人々がこの町を理想郷と呼ぶ気持ちが分かった気がしました。