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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年9月4日 O.A.

#175 グラーツ発 恵みの湖ノイジードラーへ

オーストリア

地図

今回の舞台はオーストリア。
第二の都市グラーツを出発してウィーンの海と呼ばれるノイジードラー湖を目指します!そこで出会ったのは幸せを運ぶといわれるコウノトリ!そしてヨーロッパ最高と讃えられる極上のイルミッツワインに舌鼓!さらにキリストの復活を祝うイースターの火祭りにも遭遇!今回も熱い旅になりそうです!

グラーツ

オーストリア第二の都市グラーツは、街並み自体が世界遺産。高台に上って街全体を見下ろすと、どこを切り取っても絵になる町並み。この高台で出会った親子連れに話を聞くと、この時期はどうやらイースター(キリストの復活祭)でどこにいってもお祭りで賑わっているらしい。街にはイースターエッグを売っている屋台もちらほら。屋台のおばあさんに首都のウィーンに行く途中のオススメを聞いたら「ノイジードラー湖は景色もきれいだしワインもおいしいわ」と薦められたので寄り道はそこに決定。イースターエッグも一つ買おうと思ったら「お代は要らないわ」とプレゼントされました。よし、これをお守りに出発!

ルスト

ノイジードラー湖はオーストリアの東の端、ハンガリーとの国境にある大きな湖。グラーツからウィーンへ北上する途中にあります。最初に南側の入口の街ルストに到着。街を散策していると、屋根を見上げている人たちが。何を見てるの?「屋根の上にコウノトリがいるのよ!」あ、ホントだ。煙突の上に巣を作ってる。あちこちの煙突の上に巣があって、結構たくさんのコウノトリがいる。聞けばアフリカから渡ってきたコウノトリがさらに北に行く途中にここを中継地点として繁殖や子育てのために立ち寄るらしい。「ノイジードラー湖は自然が豊かで食べのもが沢山あるからね。」そう説明してくれたおじさんの家は、もう30年近くも家の屋根に降り立つコウノトリたちに餌をあげている。そのために屋根まで上がる昇降機まで外壁につけちゃったそうです。ここでコウノトリの餌付けを体験させてもらいました。

イルミッツ

ルストから船に乗って対岸へ、ノイジードラー湖を横断します。とっても広くて向こう岸なんか見えないくらい広い湖で海みたい。それもそのはず。海のないオーストリアでは、ここは「ウィーンの海」と呼ばれる水辺の憩いの場所なのだそうです。到着したイルミッツはブドウ畑が広がる町。そこかしこにワインが飾ってあったり、「ワールドチャンピオン」なんて看板も。通りがかったお店を覗いたらそこは伝統のワインセラー。古くていい雰囲気のレストランを併設している醸造所を案内してもらい、お店で試飲。極上のイルミッツワイン!「イルミッツがワインづくりに適しているのは、太陽に温められたノイジードラー湖が夜でも気温を高めに保ってくれるから。それが大粒のブドウを育てるんだ。つまりこのワインはノイジードラー湖の恵みなんだよ」。オーナーのおじさんはそう言ってガンガン試飲のワインを勧めてくれて、ああもうふらふら。この湖の周りだと他にどこかオススメないですか?「オッガウはどうだい・ちょうどイースターの火祭りがあるよ」。よし、じゃあ次はそこんい行ってみよう。お会計をお願いします。「試飲だからタダだよ!その代り僕が日本に行ったら奢ってくれよ!」はいもちろん〜!ちょっと酔っぱらっていい気分〜。次のオッガウまで、バスで一眠り。

オッガウ

イルミッツから湖を半周、農民の伝統が残るという町、オッガウに来ました。火祭りの会場を探して丘の上に上がると、ちょうどたき火をしている人たりが。子供たちが竿の先にベーコンをつるして直火で焼いてる!ご相伴預からせて頂いたらうん!美味しい!!もしかしてこれがイースターの火祭りですか?「違うよ!これは只のたき火。火祭りはあっちの大きなやぐらを燃やすんだよ。」見れば広場に大きなやぐらが。消防車もスタンバイしてる。安全のための出動ですか?「いやいや、今日だけは逆でやぐらに火をつけるために来ているんだ。」これがホントのマッチポンプ。日が暮れたら人がたくさん集まり出しました。みなさんはこの町の出身なの?「そうよ!今は別の街に暮らしてるけど、年に一度みんなが集まる日なの。」日本でいうお盆みたいな行事なんだね。そしていよいよやぐらに点火!ものすごく大きな火柱が立ち上がります。力強いキリストの復活を感じさせるイースターの火祭り、すごいもの見れてなぁ。

ウィーン

バスは最終目的地の首都ウィーンへ。ノイジードラー湖からほぼまっすぐ北上します。大都会ウィーンに到着。ハプスブルグ家の王宮を眺めながらマーケットへ。みんな屋台でワインを飲んでる。喉が渇いちゃった、オススメください。「ノイジードラー湖の白ワインはいかが?」あ、それ行ってきたところのワイン!「じゃあこれはウィーンからのオゴリよ」ありがとうございます!素敵な生演奏を聴きながら飲むワインは最高!今回最初から最後までおごられっぱなしだったな。みなさんが日本に来たときは必ずお返ししますね!かんぱーい。

オーストリア第二の都市・グラーツから首都ウィーンまでのバス旅。
今回も素敵な出会いに恵まれました。幸せのコウノトリに会えたおかげかノイジードラー湖周辺の豊かな恵みを満喫することができました!最高級のワインもイースターの火祭りも大当たり!またいつか別の季節のオーストリアも訪ねてみたくなりました!