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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年6月5日 O.A.

#162 ハンブルク発 湖面に浮かぶ幸福の城へ

ドイツ

地図

今回の旅の舞台はドイツ。国内第二の都市、ハンブルグを起点に、バルト海沿岸を北上。デンマークとの国境近くにあるという、“幸福城”を目指します。

ハンブルク

旅は北ドイツの大都市、ハンブルクから始まります。水の都と呼ばれるこの町には、大都会とは思えないほど、穏やかで美しい風景が広がっています。そんな雰囲気とは打って変わって、地元の朝市場は大賑わい。バルト海の魚は絶品だと言う魚屋のお兄さん。聞けば、ドイツの北部ではウナギが食べられるんだとか。そんな彼に薦められ、カッペルンという漁村を目指すことに決めました。いよいよ、バス旅の始まりです。

リューベック

カッペルンまでの道中、最初に立ち寄ったのは、ドイツで1番美しい町と称されるリューベックです。中心地を歩いていると、前方から、ちょっと変わった格好をした女性が歩いてきました。中世時代の服装に身を包んだ彼女は、この町の観光ガイドをしているそうです。会話が盛り上がり、リューベックで最も古いとされるマリエン教会を案内してくれることになりました。白亜に輝く美しいこの教会。その壁に隠れているネズミを触ると、願い事が叶うという言い伝えがあるんだとか。これは良い旅の幸先です。

キール

次の経由地、キールに近づくと、車窓からはバルト海が見えてきました。バスを降り立ち、海沿いの道を散策するものの、空はどんよりとした厚い雲に覆われています。道行く女の子に声を掛けてみると、こんな時期にキールに来ても何もやることが無いわよ、と言われる始末。そんな彼女、お友達の家で「特別な甘いもの」を作る予定だと言うので、お邪魔させてもらうことにしました。待っていたのは、アクセサリーのように美しい装飾を施したクッキー。結婚式などでお祝いにするのが人気なんだとか。試しに作ってみると、なかなかの出来映え!?可愛い女の子たちにまじって、楽しい一時を過ごすことができました。

カッペルン

翌日、バスを乗り継いで、ようやくカッペルンに辿り着きました。この村では絶品の燻製ウナギが食べられると聞き、地元のお薦めのレストランへ行ってみました。100年以上の歴史を誇るその店では、陽気なご主人が出迎えてくれ、代々伝わる独特な燻製作りを見せてくれました。肉厚で脂がのったウナギの燻製は香り高く、口の中でとろけていきます。日本では食べられない味わいに酔いしれました。

フレンスブルク

最後は、デンマーク国境近くの町、フレンスブルクへ立ち寄ってみることに。そこには湖に浮かぶ純白の城「幸福城」が。このお城は、デンマークの伯爵が、幸福と平和を願って建てたもので、このお城で育った子どもたちは、ヨーロッパ各国の王室に嫁ぎ、幸せになったとか。このお城で結婚式を挙げたという夫婦に、幸せをお裾分けしてもらいました。遂には、デンマークとの国境で、夕日に染まるバルト海を眺めながら、旅を締めくくりました。