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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年2月13日 O.A.

#146 カイロ発 母なるナイルを走る

エジプト

地図

今回は、エジプトの首都カイロから、ナイル川をひたすら南に走るバス旅です。
活気あふれる首都カイロでは、ノリのいい少年たちの案内で、まずナイル川へ。川沿いで「世界最古のピラミッド」の話を聞き、さっそく短距離バスでサッカーラという街へ向かいます。このバスが、ハートのクッションや金のモールで飾られていて、なんだかかわいい…聞くと、運転手さんが趣味で飾りつけをしていて、エジプトではそれが当たり前なんだって。これぞ、バス愛!
サッカーラでは、農家の仲良し一家と、お昼をご一緒させてもらいました。サッカーラ・ピラミッドはなんと階段状。ピラミッドも最初はこんな形だったんですね。ここまで来たら、有名なギザのピラミッドも見ておきたい!カイロの隣にあるギザに戻ります。ピラミッドは見上げると、巨大な壁のよう。石に触ると、悠久の時がじわぁ〜と伝わってきました。

いよいよ長距離バスに乗って訪れたのは、ナイル川沿いの街ミニヤです。気温45度、あまりの暑さに、町で噂のアイスクリーム屋に飛び込むと、近くにおもしろい墓地があるとのこと。行ってみると、普通の住宅街のようなところに着きました。ところが、その家に見えたのが実は大きなお墓!高台に上ると、辺り一面全て、丸い屋根のお墓で埋めつくされていたのです。何千年も変わらないという景色を前に、人の命の繋がりを感じました。

次に、アスユートという町を目指していると、車内のおじさんからナイル川に面した“絶景の町アスワン”に行くことを薦められます。でも、アスワンに行くならそろそろ乗り換えだよ、と言われて降りたところが、何にもないただの道路!慌てて他のバスを探すも、アスワン行きがありません。なんとか3台目で、手前のエナという町まで乗せて行ってもらえることになりました。
エナからアスワンまで6時間。アスワンのナイルの水は、青くてとてもきれいです。川沿いで出会ったおじさんに“ファルーカ”という帆船に乗せてもらって、ナイル川を堪能。たまたま村で開かれた結婚式にも、飛び入り参加させてもらいました。

豊穣のナイルとともにあるエジプトの暮らしは、心まで豊か!とにかく親切で、どこか自由気ままなエジプトの人たちとの、笑顔でいっぱいのバス旅をご紹介します。