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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年1月16日 O.A.

#142 ビクトリア発 バンクーバー島横断

カナダ

地図

今回の舞台はカナダ、バンクーバー島。神秘的な大自然が迎えてくれる、アートをこよなく愛する人たちが暮らす島。島を囲む海からもたらされる自然の恵みは、まさに究極の味!旅のゴールで待っていたのは…、大海原を優雅に泳ぐ、あの生き物!さあバスが来た、もう旅は始まってますよ!

ビクトリア

イギリス移民たちによって開拓されたバンクーバー島には、街のそこここにイギリスっぽさが残ります。港を散策していると、海際に住宅街。よく見たら、家が桟橋沿いに浮かんでいます。近づくとちゃんと人が住んでいる。住人の人にお話を聞くと、この辺りは芸術家の人が多く住んでいるのだそう。自分が日本から来た、と告げると「じゃあ西の端のトフィーノに行きなさい」と。「カナダの西の端から船に乗るとどこに着く?」…日本?「正解!」…もう! でもそこは美しい海岸と、大きなアレがいる、という事なので、そこを目指すことにしました。

シュメイナス

翌朝、トフィーノに向かうバスターミナルで、途中下車の候補の町はないかと地元の方に尋ねると、壁画がたくさんあるというシュメイナスの町を薦められました。降りて街を歩いていると足元の地面に黄色い足跡が点々々。それを追っていって顔を上げると、目の前に壁画!街中いろんなところに足跡があり、それを追っていくと様々な壁画に出会えtるという仕組み。昔炭鉱の町だったシュメイナスですが、炭鉱が閉山したあと人が少なくなったため、町おこしのために壁画をたくさん作ったのだそうです。

ガブリオラ島

次の乗り継ぎの町ナナイモに向かう途中、バスで隣り合ったおじさんに薦められたのがガブリオラ島。バンクーバー島からさらに船で20分ほどの小さな島。そこを散策していたら民泊させてくれる家を発見。早速お邪魔すると、そこを経営していたのはカナダ人の奥さんと日本人の旦那さん。奥さんには砂岩で作られた美しい海岸線の海辺を紹介してもらい、旦那さんにはすぐ裏の海で取れる天然カキをごちそうしてもらいました。寄り道してよかった!

トフィーノ

今回の最終目的地トフィーノまでは山を越えて120キロ4時間半。バンクーバー島の西の端。ここの港からホエールウオッチングのツアーが出ているので、乗ってみることにしました。思ったよりも小さな船。沖に出てしばらく探すと、いました!クジラです!しかも2頭も!船の周りをゆったりと泳いでいてまるで歓迎されてるみたい。この海を西へ西へ行くと日本に到着するんだ。なんだか世界がつながっていることを実感するなぁ。

太平洋の東の端に浮かぶ、カナダ・バンクーバー島。大自然を縫って走るバスで、たくさんの素敵な出会いがありました。ビクトリアからトフィーノまで、寄り道をしながらバンクーバー島を横断したバスの旅。素朴であったかい心を持つ人たちに何度も助けられました。みんな、ありがとう!優しい人たちが暮らす島、絶対に忘れません!