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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年12月5日 O.A.

#137 カフルイ発 マウイの大地と海

ハワイ

地図

マウイのバスは均一料金の2ドル。まず島の玄関口カフルイの空港から市街へ。市街を歩くと大人や子どもたち約15人が一斉に洗車をしている洗車場を偶然、発見!しかも洗車代はたったの5ドル。聞けば、洗車をしている人たちはダンス教室の先生や生徒たち。マウイ島では、週末になると、色んな団体が、洗車で得た収入を運営費や寄付金に充てたりするそうです。

次に向かったのは、マカワオ。道中の車窓には、緑あざやかな広々とした平原が広がります。マカワオで降りると、カウボーイ・グッズのお店を発見。この町には、たくさんのカウボーイがいる事を店の人に教えて頂く。さらに町のロデオ大会で幾度となく優勝した80歳のおばあちゃんがいる事を聞き会いに行くことに。おばあちゃんは今でも毎日、乗馬を続けという事で、その腕前を見せて頂きましたが、その乗馬テクニックは、80歳とは思えない程の乗りこなしでした。

マカワオを離れ、バスはさらに奥に進みます。終点のクラは高台の町。バスを降りると、目の前に島を見下ろす事が出来る絶景ポイントがありました。夜、一度カフルイに戻り、ホテルを探す事に。観光の島だけに、簡単に見つかると思っていたマウイ島のホテルですが、しかし、ハワイ・マウイ島の街中にあるほとんどの店は、夕方5時に閉店。歩いている人もほとんどおらず聞き込みもままなりません。心細い夜道を歩いていると灯りがついている建物を発見!そこにいる人にホテルがないか聞いてみると、その建物自体がホテルだそう。しかも、夜遅くでほかの客ももう来ないという事で、通常の宿泊料金よりも100ドル以上も安くしてくれました。

翌日、向かったのは、島の西部。バスの中で偶然キルギスからの新婚カップルと出会います。聞けば、途中のマアラエアで、ホエールウォッチをすると言います。内陸の国で育った若奥さんはクジラを見ることが昔からの夢だったそうです。せっかくの出会い!一緒に同行することにして、マアラエアで途中下車。ホエールウォッチをする船に乗り込みます。出航して30分ほどで、クジラを発見!巨体が宙を舞うダイブする姿は、まさに海の王者、圧倒されます。キルギスの新婚さんの奥さんの夢が叶いました。

続いて訪れたのは、ラハイナ。観光客が大勢集う町で、この日は町の巨木バニヤンの木の生誕を祝う祭りが開催されていました。会場には、地元の芸術家たちが作品を展示しており、マウイの自然を表す作品が目につきます。その中で出会った画家のアールさんが、マウイの人たちが自然を崇拝する聖地があるという事で、一緒にバスで向かいます。その聖地がある場所は、島北部でバスの終点でもあるナピリ。あとをついて行くと、石が、幾重にもサークル状になって土に埋められている不思議な場所に案内されます。地元で「ラビリンス」と呼ばれるこの場所こそが自然を敬う聖地で、一説には古代の王族が自然崇拝していた礼拝所ではないかと言われているそうです。

最後に、ハワイ流の自然へのお供え物として、石を葉っぱでくるんだ物をサークルの中心に置き自然への感謝を表します。訪れた時間はちょうど夕日の頃。神秘的な雰囲気に包まれたマウイの聖地で、今回のバス旅は幕を降ろしました。