毎週木曜21時オンエア
人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。
カザフスタンの南部にある都市・シムケントでは活気ある市場に出会います。バス旅の前に立ち寄ったレストランには『ラグマン』という、まるでうどんのような麺料理が!驚いて店員さんに話しかけてみると、ちょっとそっけない態度。カザフスタンの人はシャイ・・・なのかな?
レストランのウェイトレスに勧められて、歴史深い町トルキスタンへ。なんでも聖人が眠る廟があるそうです。廟へ行ってみると、サマルカンドを思わせる青い屋根が美しい、立派な建物でした。しかし、中はなんと工事中!それでもカザフスタンの人々の敬虔な祈りを目にします。さらに、廟の近くでラクダの放牧を目にし、飼い主に家へと招かれます。ラクダの乳を発酵させた『シュバット』という飲み物をごちそうになり、素朴なカザフスタンの暮らしに触れます。
バスの車掌の勧めで、海のような大きな湖・アラル海を目指す事に。乗り換えの町カザリンスクではバスの出発まで時間があったので町を散策していると、農作業をする男たちに出会います。この辺りは旧ソ連時代から米所なのだそうです。労働者のおじいさんに家に招待され、伝統楽器ドンブラの演奏を聞かせてもらいました。
アラル海が見られるという、カラテレン行きのバスに乗り込みますが、「村からアラル海は見えない」と乗客に言われます。カラテレンを散策していると、アラル海の漁師に出会い、漁師の車でアラル海に連れて行ってもらえることに。アラル海は、注ぎ込む川の水が少なくなり小さくなってしまったそうです。しかし、目にしたアラル海は広大で、自然と共に生きる漁師たちの暮らしに思いをはせながら旅を締めくくります。