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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年10月31日 O.A.

#132 ユヴァスキュラ発 湖水の道を行く

フィンランド

地図

今回の舞台は北欧・フィンランド。森と湖の国で、たくさんのサプライズに出会いました。命がけの食材・毒キノコ料理は究極の味。そして真っ裸のバカンス。フィンランドは追いも若きも元気いっぱいです!さあ、バスが来た、もう旅は始まっていますよ!

ユヴァスキュラ

フィンランド中心部の都市、ユヴァスキュラ。今回はこの街から首都ヘルシンキをめざします。より道するならタンペレがいいとこの街の人に薦められ、バスターミナルから教えられた2番のバスに飛び乗ってタンペレへ向かいました。ところが!そのバスはまったく逆方向の街に向かうバス。乗り合わせたおじさんに大笑いされて、終点で降りることにしました。

サーリヤルビ

ユヴァスキュラから南へ向かうはずが、全く逆方向の北の町、サーリヤルビに到着。途方にくれていると、先ほど大笑いしたおじさんが、自分の友達の別荘を紹介するから、そこに行くといいよと言ってくれました。なのでお言葉に甘えてお世話になることに。そこはとても立派な別荘!フィンランド人はほとんどの人がバカンスシーズンになると別荘で過ごすそうです。そこは手作りのコテージや桟橋、バーベキューグリル。そのグリルで作った夕食。グリルサーモンとお母さん手作りのケーキは絶品でした!そしてスモークサウナがありました!おじさんたちと素っ裸でサウナへ!汗だくになったあとは素っ裸のまま湖へどぼん!だれもいない湖畔で悠々と裸で水泳。きもちいい〜!この別荘に泊めてもらっちゃいました。バス乗り間違えてよかった!

タンペレ

ユヴァスキュラまで戻って、こんどこそタンペレへ。フィンランドで一番素敵な町だと誰もがそう言うタンペレは、フィンランドで2番目に大きい街。市内バスに乗って街を巡っていると、目の前にタトゥーの男子ふたり!両腕も顔もびっしり入っててちょっと怖い…。
と思っていたら、実は気さくな青年たち。いまフィンランドではタトゥーはファッションとして大流行。老若男女普通の人たちもこぞってタトゥー。その2人が「シルバーライン」という遊覧船に乗ってハメーンリンナという町に行け、と勧められる。そこのお城の近くに面白い建物があるとか。湖を結び遊覧するシルバーラインに乗って、次の町を目指すことに。

ハメーンリンナ

タトゥーコンビが教えてくれたお城まで行ってみると、その隣にはなんと「監獄博物館」!?実際に1993年まで使われていた監獄をそのまま博物館に。さすがフィンランド、監獄にサウナまで完備されてました。出獄される前の最後の一晩を過ごす部屋の壁や天井には、ここを出ていける喜びの言葉が、ライターのススで書かれていました。「ここから出ていける者は幸せである。」

ヘルシンキ

長旅の執着地は首都ヘルシンキ。長時間のバス旅でおなかが空いたのでレストランに入りました。お店のオススメはなんと「毒キノコ」!コルヴァシエニという種類の毒キノコで夏の間しか収穫できない貴重なキノコ。これを細切れにしお湯で2度煮て毒の成分を飛ばしてクリームと煮込みます。沸き立った湯気で毒にあたることもあるんだそう。命がけの食材はまるで日本のふぐみたい。この毒キノコソースを白身魚のムニエルと合わせていただくと…美味い!!魚の味が引き立つソース!食べれば食べるほどうまみが口いっぱいに広がって、それこそ中毒になりそうなおいしさでした!

北欧フィンランドを駆け抜けたバスの旅。今回もたくさんおn出会いがありました。バスを乗り間違えたり、毒キノコを食べたり、いろんなことがあったけど、全部最高の思い出になりました。森と湖のユヴァスキュラから首都ヘルシンキまで、380キロを駆け抜けたフィンランド。そこでは、どこまでも優しい人たちが待っていてくれました。みんなの笑顔、絶対に忘れません!