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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年10月10日 O.A.

#129 ヴェネツィア発 ジェノヴァの海へ

イタリア

地図

ヴェネツィア

イタリア北東部、アドリア海に面しているヴェネツィア。今回は、ここから北イタリアを横断して、西部の港町・ジェノヴァまで旅します。ヴェネツィアでは、街灯ケーブルを修理中の電気工の男たちに出会いました。彼らは町のどこかで電気のトラブルがあればすぐにモーターボートで駆けつけるのだそうです。そんな彼らが次の目的地として薦めてくれたのが、名作「ロミオとジュリエット」の舞台となったヴェローナでした。

ヴェローナ

偶然バスで知り合った少女が、ヴェローナの町を案内してくれることになりました。少女が連れて行ってくれたのは「ジュリエットの家」。そこは世界中から観光客が押し寄せ、大混雑。特にジュリエット像には大勢の人垣ができています。聞けば、ジュリエットの像の胸を触れば、願いが叶うんだとか。これは触らずに帰るわけにはいきません。さっそく素敵な出会いを祈願しました。夜は街で偶然出会ったミュージシャンのおじさんに誘われて彼が演奏するパブを訪問。ほろ酔いのおじさんが叩くドラムが徐々に客を盛り上げてゆきます。ヴェローナの夜更け、旅人も時間を忘れドラムの音色に酔いしれました。

ガルダ湖

次の日は行き先も決めずにバスターミナルにやってきました。そこで、乗車券売り場のお姉さんに目的地を決めてもらうことにしました。紹介されたのは、イタリア最大の湖、ガルダ湖。
そこにはどんな出会いが待っているのか、あとは運任せです。ガルダ湖までの乗車券をゲットし、早速バスに乗り込みます。車内では、気さくな漁師のマリオさんに出会いました。するとマリオさんが、ガルダ湖の湖畔にあるご自宅に招いてくれました。これもすべてはジュリットのおかげでしょうか!?マリオさんのお宅では、ご家族と一緒に夕食をいただくことになりました。イタリアの家庭で、本場のパスタでおもてなし。アンチョビのスパゲティは絶品でした。翌朝、マリオさんの船に乗せてもらいガルダ湖の漁に挑戦。大漁には程遠い成果で終わってしまいましたが、貴重な体験をしました。

クレモナ

次に途中下車した町は、マリオ家おすすめのクレモナ。2回バスを乗り換え、4時間半かけてやっと到着しました。音楽の町として有名なクレモナでは、バイオリンの制作工房を訪ねます。そこでは職人たちが、我が子を愛でるように木材を削り、楽器に命を吹き込んでいました。町の散策を続けていると、全身タトゥーだらけの青年に誘われて、タトゥースタジオを見学させて貰うことになりました。ちょっと恐ろしい光景でしたが、町の若者たちとの交流を楽しみました。

ジェノヴァ

最終目的地のジェノヴァに着きました。ジェノヴァは地中海に面した港町。中世には海洋国家として繁栄。コロンブスの故郷でもある町です。早速、海を見渡せるポイントを探し、灯台を目指します。少年コロンブスが夢を馳せたであろう地中海に辿り着き、旅を締めくくります。
ヴェネツィアからジェノヴァを目指した今回の旅。予定を立てないぶっつけの旅では、気さくで、陽気な人たちに助けられ、いい思い出がたくさんできました。