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地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
ロシアの首都モスクワのまわりには、環状につながるロシアの古都群がある。美しい寺院、中世風の街並み、そこに生きる人々…今回は、ロシアの伝統を旅します。
モスクワからバスに乗ってついたのは、セルギエフ・ポサードです。町を歩くと、かわいらしい人形を売る店が目につきます。世界的に有名な、マトリョーシカという入れ子人形です。実はこの町は、マトリョーシカの発祥の地なのだそうです。町の中心にそびえるのは、トロイツェ・セルギエフ大修道院です。巨大な大聖堂にはいると、華麗な絵画や装飾で彩られています。そこには、真剣にお祈りする人たちの姿が…。ここは、ロシア全土の宗教の中心地として、参拝者も絶えません。
そして、夕方になると、大修道院のシルエットが、真っ赤な空に浮かび上がります。
次の聖なる町は、ロストフ・ヴェリーキーです。この街の名物は、高い塔の上に吊るされた13個の鐘。その音を聞くことは、古来から、ロシアの人々の憧れだったそうです。13個の鐘は、4人で鳴らします。大きな2つの鐘は、一人1つづつ。残りの小さい鐘には縄をつけて、2人で、操り人形のようにコントロールします。その音は、まるで、美しい音楽のようでした。さらにこの町は、有名なエナメル細工の産地。数多くの寺院を彩るために、発達したそうです。その作家の工房を訪ねると、裏の湖に案内してもらえました。その湖は凍っていて、上を歩くことができます。その氷の上にうつる教会の姿は、幻想的な美しさでした。
最後の町は、スーズダリです。もっとも中世的な街の雰囲気が残っている町です。町を歩けば教会ばかり。そして、立ち並ぶ家には、窓枠の装飾が、木製で、とてもかわいいものが多いです。この町は中世の都だったので、多くの貴族が住んでいました。庶民は彼らの屋敷の装飾に憧れて、真似たのでそうです。
このスーズダリの郊外に、ポクロヴァ・ナ・ネルリ教会という教会があります。その美しさは、白鳥に例えられてきました。車では近づけないので、広い草原の雪の道を歩いていくと、ぽつりと、純白の教会が見えました。凍った池のほとりにたたずむその姿は、本当に、白鳥の様に見えました。