毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回はモンゴルの旅。そのスタートは最西端の街、ウルギーから。
頂きに万年雪をたたえる、険しい山々に囲まれたこの街には、大きな建物はほとんどなく、モンゴル独特の丸いテント、ゲルがぎっしりと並んでいます。でも、なんか雰囲気がモンゴルらしくない気がします。聞けば、この街の9割の人がカザフ民族で、モンゴル語ではなく主にカザフ語を話す彼らは、イスラム教徒も多いのだとか。宿泊先は、街から150kmも離れた山奥の村。おじいちゃんが、息子たちや孫たち、親戚と平和に暮らす大家族のゲルにホームステイしました。放牧を生業としている一家の家畜は、なんと1300頭。羊、ヤギ、ヤク、牛、馬、そして・・・、2匹の巨大なイヌワシ。日本の鷹匠のようにここではワシを使って狩りをするのだそうです。おじいちゃんが、厳しい大自然の中で生き抜く、昔からの知恵を子供たちに伝えている姿が印象的でした。
翌日はそこから60km離れたデリグン村へ。緑の草原に囲まれた美しい村。お祭りをやっているというので行ってみると、数あるイベントの中で最も人気の高い、競馬が始まるところでした。騎手は子供たち。日本の小、中学生くらいでしょうか。馬のタテガミをしばってなんか侍みたい。100頭近い馬が、10km以上も砂煙をあげて爆走します。ゴール地点では、地元の人の大声援。優勝した馬には勲章が捧げられます。この村の一番の絶景だという山にのぼって、祭りの風景を眺めてみることにしました。短い夏を楽しむ人々・・・。子供たちの歓声。そして、大草原をわたる風。なんとも気持ちのいい絶景でした。
そして今度は最北端の街ムルンへ。目指すのはモンゴルで最も美しいといわれるフブスグル湖。悪路を3時間。やっと湖畔へたどり着いたのですが・・・。青い!その湖の青さに言葉を失いました。さっそく観光船で周遊。船を降りて、展望できる丘へ・・・。見下ろすとそこには、まるで南太平洋の海のような青い湖が・・・この湖は世界一、二を争う透明度を誇る、モンゴル最大の淡水湖。面積は琵琶湖の4倍だそうです。ロシアとの国境にも近い最北の大地にこんな絶景の湖があったとは・・・。この湖の周辺には太古からトナカイを飼っているツァータン族の一家が住んでいるそうです。原始のままの森の中を馬に揺られること2時間。ついにツァータン族にも出会えました。