「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#81 美しき太陽の島 シチリア(イタリア) 2011/11/18 O.A.

太陽が似合う島 シチリア

地中海で一番大きな島、イタリア南部のシチリア島を訪ねます。島最大の都市パレルモでは、まず地元の人で賑わうバッラロ市場へ。威勢の良いかけ声が飛び交う中、1メートル以上もある巨大なズッキーニや、子牛の内臓をパンにはさんだ「内臓のパニーニ」など、珍しい食べ物に出会いました。路地の奥へ足を伸ばすと、小さな帽子屋さんを発見。それは、シチリア伝統の帽子、コッポラの専門店でした。結婚式用にバラをあしらったコッポラなど、工夫を凝らしたコッポラを見せてもらいます。別れ際、店員のモニカさんに薦められ、パレルモの郊外にあるペッレグリーノ山へ。山頂からは、太陽に照らされた青い海とシチリア島の大パノラマを見ることができました。

断崖絶壁に佇むモッタ・カマストラ村

早朝、パレルモ中央駅から島の海沿いを走る鉄道に乗車。東へおよそ4時間のところにある、タオルミーナを目指します。タオルミーナ駅に到着すると、地元のタクシーの案内で、「アルカンタラ渓谷」へ。そこは、およそ8000年前に火山の大噴火によって作られた大渓谷です。透き通るような水の中を裸足でじゃぶじゃぶと歩いて行くと、目の前に彫刻のような溶岩の壁が現れました。雨水と川の水が、長い時間をかけて溶岩を浸食して生まれたのだそうです。まるで、火山が生んだ大自然の芸術のような風景でした。タクシーの運転手の案内で次に向かったのは、モッタ・カマストラ村。断崖絶壁の丘の上に家が張りつくように並んでいます。かつて、名画「ゴッド・ファーザー」のロケ地にも使用されたそうで、外から見ると人を寄せ付けない雰囲気が漂っています。村を歩くと、小さなバーには村の男たちがビールやカフェをかけてトランプゲームを楽しむ姿がありました。また偶然に出会った素敵なおばあちゃんの家で、手作りのマカロニ料理をごちそうになります。帰り際に村を振り返ると、夕日に照らされた村の姿がありました。それは、まるで古いスクリーンから抜け出したような、どこか懐かしい山の村の風景。村の温かさに触れた旅でした。

海辺の町 タオルミーナ

地元のバスに乗り、海辺の町、タオルミーナへ。タオルミーナは、紀元前4世紀ごろに作られた高台の町です。この町は、様々な民族に侵略された過去があり、歴史の記憶を刻む建築を数多く見ることができます。紀元前3世紀頃に作られたというギリシャ劇場では、シチリアのダイナミックな風景を借景した舞台に圧倒されました。海辺へ降りると、美しい入り江がありました。イゾラ・ベッラと呼ばれるこの入り江は、透き通るような美しい海が印象的で、その風景は映画「グラン・ブルー」でも紹介されているそうです。その後、砂浜で出会った船長さんの案内で、イゾラ・ベッラのクルーズへ。アクアブルーとエメラルドグリーンの海が同時に見られる「青の洞窟」で神秘的な風景に出会いました。旅の最終日、日の出前にタオルミーナを見下ろすことができるマドンナ・デラ・ロッカ教会へ。やがて、海の彼方から宝石のような朝日が現れました。シチリアから最後の贈り物のようなすてきな眺めを見ることができました。