「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#79 紅葉に燃える極北の大地ユーコン(カナダ) 2011/11/4 O.A.

カナダ最高峰 ローガン山

今回の旅は、秋のカナダ、ユーコン。ここはアラスカの隣に位置するこのエリアは極北と呼ばれ、夏は短く冬はマイナス30℃以下にもなる、まさに極限の地。今回は端境期に当たる秋の大自然を巡ります。  まずやって来たのはユーコンの州都ホワイトホース。東はユーコン川、西は広大な森林に囲まれた小さな街です。紅葉が美しい秋、ユーコンではもう1つ素晴らしい自然現象が起こるといいます。白夜の夏を終え、ユーコンに夜がやってくるのも秋。すると暗闇の中にオーロラが現れるそうです。秋の訪れに色めき立つユーコンを旅します。  ホワイトホースから西へおよそ2時間、色づいた木々を眺めていると、突如雪化粧をした険しい山が目に飛び込んできました。ここはクルアニ国立公園といい、その山の向こうには万年変わることのない大氷原が広がっているそうです。早速車からヘリコプターに乗り換え空中遊覧。赤やオレンジの紅葉は一変、どこまでも続く白銀の世界。ここが極北だということを改めて思い知らされます。やがて見えてきたのは何千年も前から積み重なってきたという大氷原。その彼方にカナダ最高峰の山、5959m、ローガン山が堂々とその姿を現しました。

夜空を舞うオーロラ

オーロラを見るため、次に向かったのはドーソン・シティ。500kmの道のりを7時間かけてたどり着いたのは、19世紀、ゴールドラッシュに湧いたという街。まるで西部劇のセットのようなレトロな雰囲気が漂う建物もその名残を伝えています。その夜、早速オーロラを見るために山の頂上を目指します。オーロラを見る条件は、夜11時以降の真っ暗な空、雲がないこと、そして私の忍耐。ドーソン・シティの街灯りがかすかに見える山の頂上、しばらく待つとそれは始まりました。光のダンス。まさにそう呼ぶにふさわしい、緑とピンクの光が秋の夜空を彩ります。オーロラもまた、秋の訪れを喜ぶように、色を変えながらユラユラと舞い踊ります。30分後、突如オーロラが姿を消します。すると次に現れたのは満月。今度はまばゆい月光が夜空を照らし、次のショーが始まりました。

ツンドラの紅葉 トゥームストーン

オーロラを見た翌朝、ガイドさんがまた素敵な所に連れて行ってくれるとのことで、街を出発します。ドーソン・シティから車で北上すること1時間半、トゥームストーン州立公園へとやってきました。なんでもここでは2週間しか見ることのできない秋の大絶景が見られるそうです。でも着いてみると、なんだか怪しい雲行き。空がゴロゴロとなったかと思うと、大量の雨が降り注いできました。でもその3分後、今度はヒョウの嵐。車のボンネットを激しく叩きつけること1分、ヒョウがぴたりと止み、雲が一斉にいなくなりました。そして眩しいほどの太陽と青空。たった5分の間に起きた、めまぐるしい天気の変化に呆然としてしまいました。再び天気が悪くなる前にハイキングスタート。大絶景が見える丘の上を目指します。歩くこと30分、目の前に現れたのは紅葉に染まるツンドラの大地でした。赤、オレンジ、黄色。雨にぬれた葉がキラキラと輝き、さらに美しさを増しています。もうすぐそこまで迫っている冬を前に、動物も植物も空も、秋という季節を謳歌し最高の輝きを放っていました。