「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#76 海に浮かぶ天国(ニューカレドニア) 2011/10/14 O.A.

南仏の首都 ヌメア

今回の旅は南太平洋に浮かぶ楽園、ニューカレドニア。世界遺産に指定されるほどの美しい海に囲まれた、小さな島です。ここはフランス領ということもあり、街並はおしゃれなヨーロッパ調。パステルカラーの建物とビビッドな南国の花とのコントラストが独特な雰囲気。それに街行く女性が着ているカラフルなローブが素敵ですね。西海岸に位置する首都のヌメアは、人口10万人が暮らすニューカレドニア最大の都市。まずは地元っ子が愛する市場を訪れました。この市場の一番の狙い目は新鮮な魚が入る週末。ケースには南国らしい色とりどりの魚や5kgはありそうな大きなロブスター。ニューカレドニアの海には本当に様々な生物が暮らしているんですね。翌朝、その美しい海を見ようとダイビングツアーに参加しました。ツアーには本国のフランスやイタリアからの参加者も。きっと世界中の誰もが一度は潜ってみたい海なんですね。ガイドさんが言うには、ここには珍しいマンタがいるとのこと。早速、水中の楽園へ。そこには一面に広がる珊瑚の絨毯やそこで楽しげに踊る魚たちが。そして上を見上げると・・・あ、マンタです!しかも家族でしょうか?群れをなしてクルクルと楽しげに泳いでいます。その中に他とは違うマンタが一匹。お腹まで真っ黒な、その名もブラックマンタ。なんだか格好いいですね。まるで海の中で空を飛んでいるようなブラックマンタ。思わず時を忘れて見とれてしまいました。

海の源タオの滝 ヤンゲン

次に向かったのは、本島の東海岸にあるヤンゲン。なんでもそこでは西海岸とは全く違う景色を見られるとのことです。ヤンゲンに着くとまず目につくのは海に浮かぶ真っ黒な岩山。長い年月をかけて隆起したという山の岩肌は鋭く尖り、そのたたずまいからは神々しいものを感じます。そしてヤンゲンの最大の絶景、タオの滝へ。まるでジャングルのような山道を歩くこと30分。目の前に現れたのは、高さ100mはあろう巨大な滝。黒い岩山を切り裂くように流れ落ちる真っ白な水は力強く、ただただ圧倒されました。そして振り返ってみるとそこには海が・・・へぇ、ニューカレドニアの美しい海の源は大地から吹き出したこの水だったんですね。

幻の無人島 ノンカウイ

最後はニューカレドニアが誇る絶景の離島、イル・デ・パンを訪れます。ヌメアからフェリーで3時間。タラップを降りると、目が眩むほどの真っ白なビーチとエメラルドグリーンの海が迎えてくれます。噂に違わぬ美しさですね。ビーチを歩いていると真っ白な帆を張った木の船が。これはピローグという伝統の船だそうでこれから丁度漁に出かけるとのことです。頼んでみると意外にもあっさり連れて行ってくれることに。風力だけで滑るように進むピローグ。途中、ウミガメやイルカがひょっこり顔を出して挨拶をしてくれました。すると漁師のイボンさんが魚の群れを発見。早速網を張り、魚を追い込んでいきます。でも釣れたのはたったの5匹。でもイボンさんは笑いながら言います。「生き物だから仕方ないさ。また来れば良いんだよ!」なんだかのんびりしていて良いですね。そんなイボンさんに教えてもらったイル・デ・パン最大の絶景はノンカウイという無人島だそうです。なんでも満潮になると海に沈んでしまうという幻の島なんですって。早速ボートを走らせノンカウイへ。そこは本当に小さな島。でも一歩踏み入れると、そこで起こっている壮大な自然の営みに驚かされます。今にも消えてなくなりそうなビーチに右から波が押し寄せ、そして今度は左から。やがて日が傾き、島がゆっくりと海に沈んでいきます。毎日少しずつ姿を変えるノンカウイ。そう思うと、今しか見られないこの一瞬が、ものすごく大切に感じられました。