「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#70 雲海に煙る火山の島ジャワ(インドネシア) 2011/9/2 O.A.

ジャカルタ旧市街の夜景

ジャカルタを出発し、西から東へとジャワ島を横断する旅。その終着点は、今も噴煙を吹き上げる火山、ブロモ山です。一体どんな絶景が待っているんでしょうか?まずジャカルタで圧倒されたのは、車とバイクの大渋滞。急速な経済成長が進行中の街には、活力がみなぎっていました。しかし、一歩旧市街に足を踏み入れると、遺跡のような古い街並が広がっています。300年前のオランダ統治時代に造られた街並だそうです。アジアの大都市の一画にひっそりとたたずむヨーロッパの街並。ここだけ時間が止まったような感じでした。

インド洋に沈む夕陽を眺める恋人たち

ジャワ島のほぼ真ん中に位置するジョグジャカルタは、かつての王宮を中心に街が広がっている古都です。自転車タクシー「ベチャ」で街を散策してみると、きれいな模様の服を見つけました。バティックという伝統的な染色技法で作られたものだそうで、近くの工房でその染色技法を見学させてもらいました。職人さんが生地に塗っているのはロウ。そうやって生地をマスキングしながら様々な色を重ねていくんだそうです。一枚の生地を作るまでに3〜4か月もかかるというバティック。インドネシアの古都に伝統の美しさが残っていました。ジョグジャカルタの南、インド洋を望むパラントゥリティス・ビーチは、恋人たちのデートスポット。敬虔なイスラム教徒が多いインドネシアでも、恋の話に熱心な女の子たちがいました。やがてビーチに一瞬の静寂が訪れ、大起案夕陽が大海原から打ち寄せる荒波を赤く染めていきました。

白い雲海と黒い噴煙に煙るサンライズ

旅のクライマックスは、島の東部にそびえるブロモ山です。今も活発に噴煙を吹き上げる火山が、早朝の一瞬に産み出す絶景。それは、標高2700メートルのビューポイントからは見おろすサンライズです。早朝の4時過ぎ、熱帯とは思えない寒さを感じながら、日の出のときを待ちます。少しずつ空が明るくなり、流れ行く白い雲海と黒い噴煙の向こうに一筋の光が差し込んできました。白と黒のコントラストの中から立ち昇ってくるオレンジ色の朝日。自然が作り出した天空のパノラマを見ました。