「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#64 アルプスの真珠ブレッド湖(スロベニア) 2011/7/22 O.A.

首都リュブリャナ〜トリグラフ山

今回やって来たのは、ヨーロッパの中央に位置する国、スロベニア。面積は四国と同じくらい、人口は約200万人のとても小さな国です。
まず最初に訪れたのが首都リュブリャナ。ここも人口27万人のこじんまりとした首都。街の中は緑が溢れ、川沿いのオープンカフェでは、みんなのんびりコーヒータイム。なんだか落ち着きますね。街のシンボルにもなっているリュブリャナ城に登り街を見渡すと、この国の特徴がよくわかります。360度を山に囲まれ、北には真っ白な雪をかぶったアルプス山脈まで見えます。なんと国土の60%以上が自然というスロベニア。小さな国に広がる大自然を感じる旅が始まります。
北から南まで車で3時間もあれば縦断できてしまう小さなスロベニアをまずは北上。この国に2つしかないという湖の1つ、ボーヒン湖にやってきました。鏡のように澄んだ水面には、空や雲、木々がくっきりと写し出され、幻想的な世界が広がります。ボートを降りると次はロープウェイで一気に山頂へ。初夏にも関わらず、雪が残る展望台に登ると、雄大なアルプス山脈が目の前に現れます。中でも一際高い山がこの国のシンボルであり国民の誇りでもある標高2864mのトリグラフ山。その威風堂々たる姿に、ただただ圧倒されました。

塩の街 ピラン

スロベニアの自然は山だけではありません。次にやって来たのはアドリア海に面した港町、ピラン。対岸にはイタリアを見渡すことができるピランの街並はどことなくイタリアの下町のような雰囲気が漂います。それもそのはず、ここはかつてイタリアや旧ユーゴスラビアなど様々な国からの支配下にあった街だそうです。しかし国が変わっても変わらない物がこの街にはあるといいます。それは800年も前から変わらぬ製法で作られてきた塩。ピランは別名「塩の街」とも呼ばれ、5月になると塩作りのシーズンの訪れを祝って、塩祭りが開かれます。国が変わっても、ここにある自然が変わらない限り、塩作りの伝統は絶対に守り通すという、ピランの力強い魂を感じました。

アルプスの瞳 ブレッド湖

そして最後は、「アルプスの瞳」と呼ばれるもう1つの湖、ブレッド湖。その名の由来は、湖にぽっかりと浮かぶ小さな島が目のように見えるから、だとか。その島には白い教会が大自然を見守るかのように建っています。湖畔を散歩していると、その教会から鐘の音が聞こえてきました。街の人に聞いてみると、この教会は人気の結婚式場で、世界中のカップルの憧れの場所だそうです。たしかにこんな雄大なアルプスの自然に囲まれながら愛を誓い合うなんて良いですね。スロベニアの伝統では、教会に続く99段の階段を花婿が花嫁を抱えて登るそうです。そして式の後、幸せの鐘を鳴らすと願いが叶うといいます。夕暮れ時、湖畔に切り立ったブレッド城に登ってみました。まだ祝福の余韻が残る湖を眺めると、まるで「アルプスの瞳」が優しく微笑んでいるようでした。