「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#61 風の運河アムステルダム(オランダ) 2011/7/1 O.A.

自由の街 アムステルダム

今回の旅のスタートは、オランダの首都アムステルダム。世界有数の観光都市でもあるこの街は、春を迎えたこの季節、一番のにぎわいを見せます。旅行者が集まる中央駅を出ると変わった物を発見しました。時間を知らせる時計の横に並んでクルクルと回っているのは、風向きを知らせる風向計。なんでもアムステルダムは風の強い街だそうです。もう1つの特徴は街中に無数に張り巡らされた運河。国土の4分の1が海抜0m以下で「北のベニス」と呼ばれるほどの水の都、アムステルダム。運河は陸路と同じぐらい人々の生活と密接しています。
さて、今日は「女王の日」のお祭り。前女王の誕生日をお祝いする祭りで、全国民が待ちわびた、誰でも『自由』になれる日なんだそうです。そして迎えた女王の日。街はナショナルカラーのオレンジ一色に染まります。もちろん運河も。水の道での行進は途切れることなく、人々が歌い踊り、まさに自由が爆発しているかのようなエネルギーを感じました。
やがて夕方になると、今度は暖かい夕日が運河をオレンジ色に染めます。風に揺られてきらきらと輝く水面。いつまでもその風に吹かれていたいと思いました。

花の街 キューケンホフ

ランダの名物と言えば、花。春はチューリップなど色とりどりの花が咲き乱れ、訪れる観光客を魅了します。中でも「世界一美しい春の庭園」と呼ばれるキューケンホフ公園では、なんと100種類以上のチューリップを含め、合計700万株もの春の花々が楽しめます。公園の外に出ると、今度はキャンピングカーの列に遭遇。ヨーロッパ中から駆けつけた彼らのお目当てはもちろん一面のチューリップ畑。赤、オレンジ、ピンク、黄色。終わりが見えないほどの広大な畑を彩る見事なグラデーションに思わず私も見入ってしまいました。春風が運んで来たこの絶景は限りあるものだからこそ、余計に愛おしく感じました。

 

風の街 ザーンセスカンス

もう一つのオランダの名物は風車。観光地としても有名なザーンセスカンスでは風車の力を使って昔ながらの製法でマスタードを挽いたり油を搾る様子が見学できます。この地方に吹く風は物を生み出す原動力なんですね。それにしても目の前で見ると風車の大きさに驚かされます。回転する度にする風を切る音もすごい迫力。でも少し離れてみると風を受けて一斉に回る風車群はのんびりしていて、とても気持ち良さそうに見えました。電力は一切使わない全て風任せの風車。そこには自然と生きることが上手なオランダの知恵が凝縮されていたのです。