毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
日本から直行便でわずか6時間でコタ・キナバルに到着。
地元ではマレーシアの首都、クアラ・ルンプールが「KL」と省略されて呼ばれるのと同じように、コタ・キナバルは「KK」とカッコよく称されます。
到着した日はたまたま日曜日。熱気あふれるサンデーマーケットが開かれていました。サバ州の原住民族であるドゥスン族、マレー半島からの人々、中華系の人々、インド系の人々…。ここでは多様な民族がうまく共存して生活していることを肌で感じることができます。アル湾に沈むサンセット、郊外のジャングルで見た、まるで恐竜でも現れそうな雰囲気の鮮やかなオレンジに色に染まる原色の夕焼け。あっという間にこの島の虜になりました。
コタ・キナバルから車でおよそ1時間半かけてキナバル公園に入ります。
霊峰キナバル山を中心に、7万5400ヘクタールにもおよぶ広大な敷地を持ち、2000年に世界遺産に登録されました。山登りの前に、麓のジャングルでここでしか見られない植物に遭遇します。1年間にわずか1週間しか咲かないという、世界一大きな「幻の花」ラフレシア。甘い匂いで昆虫を罠にかける「ウツボカヅラの王様」ネペンテス・ラジャ。どちらも、可憐な姿とは言いがたいまさにジャングルの中をたくましく生き抜いてきた異彩を放ってきました。“ウツボカヅラ博士”にキナバル山の素晴らしさの講義を熱っぽく語っていただきました。
次はいざ、山へ!
東南アジアの最高峰を、2日間、歩行時間およそ10時間かけて目指します。
山岳ガイドはこの道、20年以上のキャリアを持ち、麓の村に住むドゥスン族のモーリスさん。ゆっくりペースで山頂へと導いてくれます。このコースは、比較的道が整備されて登山初心者にも優しいと、世界中から年間約20万人以上が訪れると言われています。
1日目は約6時間かけて、3272m中腹にある山小屋まで目指します。途中、緑深いジャングルが霧やシダに覆われた様子に変わって行く風景を楽しみながら進むのですが、さすがに小屋についたときにはヘトヘトです。
さらに3000mを超えると、酸素不足にも見舞われます。
そして、翌朝は何と午前1時50分に起床。朝食をいただいて2時半には出発です。おぼろ月と懐中電灯の明かりを頼りに、ロープを伝いながら岩肌を登ります。疲労感がピークに達しようとするころ、少しずつ空が光を帯びてきました。息を飲むご来光までもうすぐです。