毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回はアリゾナ州の州都・フェニックスから旅を始めました。人口はおよそ400万人、アリゾナ州で最も大きな都市です。街で見かけたのは、昔ながらの西部を感じさせる風景。馬車が走り、ウェスタンスタイルで決めた人々が数多く歩いていました。ウェスタンブーツの専門店まであって、4000足の様々なブーツが売られているのです。
そして、町の人たちが誇りにしているというサウスマウンテンの頂上からフェニックスの町を一望。ここからの風景を見ていると、町といってもビル街は、ほんの一部で、周りはアリゾナ砂漠に囲まれ、荒れ果てた大地が一面に広がっていることがよく分かります。
あの荒野の先には、驚くような大自然が待っていそう。そんな期待を胸に、アリゾナ州の北部へと向かうことにしました。
フェニックスから、およそ6時間のロングドライブ。アリゾナ砂漠に囲まれた道をひた走り、ページへ到着しました。人口は、およそ7000人。お店もほとんど無いような小さな町ですが、その近郊には、たくさんの美しい風景が広がっています。そこで早速、先住民・ナバホ族のガイドの方に案内して貰い、アンテロープキャニオンへ向かいます。そこは、ひび割れた大地が一面に広がる砂漠の峡谷。このアンテロープキャニオンは、ひび割れた大地の中に潜り込むことができるのです。ガイドの案内で、真っ暗な狭い穴の中を、どんどん進んでいくと、そこには信じられないような光景が広がっていました。地上の光が岩壁を照らし、得も言われぬような芸術的な風景。太陽が大地の裂け目の上を通る、ほんの数時間しか見ることのできない絶景です。
旅の終わりに向かったのは、アリゾナ州の最北部・モニュメントバレーです。
この辺りは、激しい風や雨、川の激流によって、大地が削られて荒野となりました。しかし、そんな厳しい自然環境の中でも朽ち果てなかった、強固な岩山モニュメントバレー。まるで「記念碑」のように聳えているから、そう名付けられたそうです。
この荒野にナバホ族の方たちが住んでいると聞いて、会いにいきました。97才で伝統的な敷物を作り続けているというおばあちゃんです。荒れ果てた土地で生き続ける、その姿は、極限の自然環境の中を生き抜いてきた岩山のように、とてもたくましく、大地を母と敬いながら暮らしていました。
そして、最後に見たモニュメントバレーの日の出が美しかったこと。母なる大地に描かれた壮大なる朝の風景に言葉を失ってしまいました。