毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の目的地は、カナディアンロッキー。3000メートル級の山々が連なり、世界中の旅人を魅了してやまない山岳リゾート地です。まずは、太平洋岸の大都市バンクーバーから大陸横断鉄道に乗り込んで、山のふもとの街ジャスパーまで1泊2日の列車の旅。専任のシェフが腕をふるう食堂車では、食事と供に相席になった他の旅人たちとの話が弾みました。ガラス張りの展望車からは、カナディアンロッキーの最高峰マウント・ロブソンを眺めることが出来ました。
翌日、ジャスパーでは、列車の中で知り合った地元在住のトラベルライターさんが名所を案内してくれました。いちばんお薦めの景色だというのが、マリーン・レイク。ロッキーの氷河を水源とする大きな湖です。日没の時間、山頂を覆う雪と湖の水面が金色に染まったわずかな一瞬、神々しい風景が目の前に現れました。
ジャスパーを後にして、ロッキーを縦断するハイウェイを南へ向かってドライブ。雪と氷に覆われた巨大な山々が車窓を流れて行く中、見えてきたのがカナディアンロッキー観光のハイライト、コロンビア大氷原。この氷河の上へは、大人の背丈ほどもあるタイヤを備えた雪上車に乗り換えて向かいます。冬を間近に控え、雪上車が出るのは、この日が今シーズン最後でした。実際に氷河の上に降り立つと、地面を覆う氷から冷気が立ち上り、あっという間に身体が冷えきってしまいました。このあまりにも巨大な氷河のスケールを実感したのは、離れて眺めたとき。氷河の上を歩く人が豆粒のように小さく見えるほど。大きくて重たい氷の流れは、波しぶきが一瞬で凍ったような絶景を作り出していました。
ロッキーに沿ってさらに南へ向かうと、街全体が国立公園の一部になっているというバンフに到着します。ロッキー観光の拠点であるこの街には、世界中から旅人がやって来るのと同時に、働く人々も世界中から集っています。バンフは今でこそ洗練された国際都市になっていますが、元々は山の中の何もない小さな街でした。この地に温泉が発見されたことを機に、政府から国立公園に指定されるなど、世界に冠たる山岳リゾート地へと成長していったといいます。
旅の最後に訪れたのは、このバンフの街を見おろすサルファー・マウンテンです。標高2285メートルの山へ登るのは、景色を楽しみながら空中散歩が楽しめるゴンドラ。終点からは、自分の足で20分ほど登山道を登って360度のパノラマが広がる山頂の展望台にたどり着きました。見渡す限りの雄大なロッキー山脈。周囲を山に囲まれたバンフの街は、あたかもロッキーに抱かれているように見えました。