「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#44 水中迷宮セノーテ(メキシコ) 2011/2/18 O.A.

世界最大のビーチリゾート、カンクン

今回の旅のスタートは、世界に誇るビーチリゾート、カンクンです。日本から飛行機を乗り継いで丸一日半。この常夏の楽園には、年間300万人の観光客が世界中から集まってきます。昨日70歳の誕生日をむかえたガイドのラウルさんに、街を案内してもらいました。リゾートらしい高級ホテルばかりかと思いきや、街の一角には地元の人たちが暮らす、ダウンタウンもあります。イルカビーチと呼ばれるビーチでも、地元の家族連れが、思い思いの時間を過ごしていました。

ナゾに包まれた遺跡、チェチェンイツァー

夜明け前、かの有名な、チェチェンイツァーに向かいます。ジャングルの中から突如現れた巨大なピラミッド。静寂の中に堂々とそびえ立つピラミッドには、歴史の重みや風格を感じます。ピラミッドの隣の戦士の神殿の上にのぼると、あたり一面、ジャングルが広がっています。まるで、緑の絨毯。そんな中に存在するチェチェンイツァーは、機械も何もないはるか昔、どうやって人間の手で作られたのでしょうか…。
この遺跡には様々なナゾがあるのです。ピラミッドの石段の数は4面あわせると364段。そして最上段の1段を足すと、365段。つまり1年を表し、カレンダーになっているのです。手を叩くと遺跡群に反響した音がまるで鳥の鳴き声に聞こえるようになるように計算して造られていたりと、古代人は私たちの想像をはるかに越えた文明をすでに持っていたのです。

神秘の泉、セノーテ

いよいよ神秘の泉へ。ユカタン半島には3000ものセノーテが存在するのですが、その中でもよりすぐりの美しいセノーテへ向かいます。大きな木の根っこのところにあいている穴の中を恐る恐る中をのぞいてみると、なんとそこには見たことのないような美しく青く輝く泉があるではありませんか。そして地下にぽっかりあいたその水中洞窟の天井からは、まるで剣山のような鍾乳石が何本も何本も垂れ下がっています。古代人はここを見て、「死後の世界」をイメージしたのもうなずけます。
そしてそのセノーテに潜れるということで、ダイビングすることにしました。思い切って水の中にとびこむと、そこには色とりどりの水草がゆらゆらと揺れています。まるで花畑のよう。そして、奥へ奥へ。鍾乳石の間をすりぬけていくと奥から、キラキラと輝く光が見えてきました。それは、青い空から差し込む、太陽の光のカーテン。太陽と、水の動きによって、無数の光の筋がゆらゆらと動いています。まるで風になびくカーテンのように…。こんな美しい世界がこの世に存在したんです。するとそのカーテンの下から、小さなカメが水面にむかって一生懸命泳いでいます。古代人から、神の遣いと呼ばれたカメ、それは天にのぼっていくようでした。