「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#396 ロワール名城を巡る物語(フランス) 2018/6/6 O.A.

鉄壁の城 アンジェ城

旅の始まりは鉄壁の守りを誇ったアンジェ城。ロワール地方の西端に位置する小さな都市の中にあり、世界遺産に登録されています。城壁は全長660メートルあり、そこに高さ30メートルの巨大な塔を17も備えているいかめしい城。中世の時代、ロワール地方では領土争いの戦争が頻繁に起きていましたが、アンジェ城の城壁の威圧感に敵国が恐れを抱き、奇跡的に攻められることがなかったそうです。そんな威圧感のある城壁とは反対に、城内は丹精に刈り込まれた庭園や修道院などが残っています。さらに、街より少し高いところにあって浮かんでいるように見えることから「空中庭園」と呼ばれていました。この日は「眠れる森の美女」のモデルとなったユッセ城にも訪れます。案内してくれたのは、生まれたときからユッセ城に住んでいるという侯爵。そこには彼が人生を捧げてきた証がありました。

川に浮かぶ シュノンソー城

2日目に訪れたのは川をまたぐように建てられた白亜の城・シュノンソー城。フランスで一番美しい城と言われ、6人の女城主から愛されてきました。この城を巡っては、16世紀、アンリ2世の正妻・カトリーヌ・ド・メディシスと愛人・ディアーヌ・ド・ポワティエの愛と憎しみに満ちた物語がありました。18世紀にはフランス革命が起きて各地の城が破壊されます。しかし当時、シュノンソー城の城主であったルイーズ・デュパンという女性が城を救います。その方法とは?日没が近づくと真っ白なお城がお化粧直しをしたようにほんのり赤みを帯びます。女性に愛され、守られてきたシュノンソー城。華やかな光の紅をまとったそのとき、かつてここで暮した女性たちの生き様がひととき甦ったようでした。

ロワール最大 シャンボール城

最終日はフランス・ルネサンスの最高傑作と言われるシャンボール城を訪れました。部屋数440、煙突282本、階段が77もある豪華絢爛な城。15世紀、イタリア・ルネサンス様式に心酔したフランソワ1世が敵国の王たちに見せつけるために建て始めました。巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチもわざわざイタリアから呼び寄せられ、城内にあるらせん階段を設計するなど、この城の建設に大きく関わっています。そしてひと際目立つのは、ユリの紋章がかたどられたシンメトリー・左右対称のフランス式庭園。フランス革命によって荒らされたままになっていましたが、去年3月、200年の時を超えて甦りました。旅のフィナーレは夕暮れ時…バラ色に染まったシャンボール城が水面鏡に姿を現わします。風がなくいときにしか見ることができない隠れた絶景。建設開始から500年たった今もなお、世界の旅人を魅了し続けていました。