「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#393-394 夏のヨーロッパ絶景ガイド 2018/5/16 O.A.

フランス ヴァランソル〜一面の花絨毯〜

南フランスで、夏の初めの短い期間にだけしか見ることのできないラベンダー畑を求め、プロヴァンス地方の花の街ヴァランソルへ。ヴァランソルは、高原に位置していて、ラベンダーの栽培に適した土地。中でも栽培量がとても多く、ヨーロッパ一とも言われています。気持ちよく晴れ渡った青空のもと、広大な敷地にラベンダーが美しく咲き誇っていました。どこまでも続く一面紫色の畑は、まるで一枚の大きな絨毯のよう。農家の人々の愛情と、その畑に棲むさまざまな生き物たちの営み、そして南仏の穏やかな気候によって育まれた絶景です。そして夕刻。斜陽に照らされ、赤紫色に移ろうラベンダー。その花穂は、まるで燃え上がるように染まりゆくのです。陽の光によって、全く違った表情を見せてくれる不思議な光景。そんな魔法の絨毯にうっとりと魅せられました。

オーストリア ハルシュタット〜世界一美しいと謳われる湖畔の街〜

ザルツブルクから目指すのは、“世界で一番美しい湖畔の街”と讃えられる、ハルシュタット。人口わずか800人ほどが暮らす小さな街の裏山には、世界最古といわれる岩塩坑があり、それが街の発展を支えてきました。そうした街と自然が調和した景観が評価され、世界遺産にも登録されています。到着後、街に面したハルシュタット湖の畔を歩いていると、釣りをしている地元の人に遭遇。船に乗って釣りに連れて行ってもらうと、大きなニジマスが釣れました。少し移動した場所から見える街並みが特にきれいだと言うので、船で移動。そこから見えたのは、ハルシュタットの街が、山と湖と寄り添うように広がっている風景。穏やかな光に包まれたその眺めは、まるで水彩画のようでした。そして夜の帳が降り、月が湖面を照らすころ、漆黒の湖面に浮かび上がったのは、光をたたえた“さかさまの街並み。あたたかな月光が創り出す、もうひとつの街の姿に酔いしれた夜でした。

イタリア アマルフィ〜世界一美しい海岸〜

30kmにわたって続く断崖に、小さな街が点在するアマルフィ海岸。およそ1000年前、この複雑な地形を利用して街を築いた人々は、やがてピサやヴェネツィアと並ぶ一大海洋国家を誕生させました。そうした中世の姿を今も色濃く残すアマルフィ。自然と寄り添うその景観の美しさは、世界中の旅人を虜にしてやみません。1997年に世界遺産に登録された、その独特な姿を最もよく映し出すのは、空からが一番ということで、ヘリポートへ。空中散歩が始まると、降り注ぐ日差しを浴びて、きらめく海と複雑な地形に寄り添って築かれた街の全貌が眼前に広がり、その圧巻の光景に息をのみます。空からしか眺めることのできない、中世の海の都の知られざる姿。その歴史ある街は、夏の光の中、静かにまどろんでいるかのようでした。

ポルトガル マデイラ島〜雲海の島〜

ポルトガル本土から南西へおよそ1000km。大西洋に浮かぶマデイラ島は、奄美大島とほぼ同じ大きさの島。15世紀にポルトガル人によって発見されたこの島は、今ではヨーロッパ中から人々が訪れる人気のリゾート地です。そんなこの島一番の光景を求めて、山岳ガイドの案内で向かったのは、ピコデアリエイロ山。標高1818m、その山頂で眼下に広がったのは、見渡す限り一面の雲海。島そのものが山の形をしているマデイラ島は、そもそも非常に雲が発生しやすい地形。この雲海に包まれた険しい山の姿は、かつてポルトガルの航海士たちを驚かせ、悪魔の島と恐れられていました。この雲海のさらなる美しい姿があると聞き、翌朝再び山頂へ登ります。朝日が昇るにつれ、現れてきたのは、見事なまでの“金色の雲海”。かつて海からやってきた旅人を恐れさせた悪魔の島は、生きとし生けるすべてのものが輝く、“光の島”だったのです。