毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりはカンボジアの首都、プノンペン。町の中心にある巨大マーケットを散策していると、陽気に話しかけてきた魚屋の主人。聞くと、町は今、空前の好景気なんだそうです。約230万人が暮らし、好景気に沸くプノンペン。町の丘に登ると、アンコール王朝の最後の王様が眠るお墓を見つけました。なんとこの町の発展には、王様の知られざる功績が関係していました。
2日目は、今から約1200年前に誕生したアンコール王朝の傑作遺跡群へ。約600年にわたり隆盛を極めた王朝の、最高傑作と呼ばれる巨大寺院、アンコール・ワット。かつて王と一部の側近しか登れなかったという三階部分には、この寺院を建てた王が、神と合体の儀式を行ったという65mの荘厳な祠がありました。続いて、高さ8mの城壁が周囲12kmを囲む巨大要塞都市、アンコール・トムへ。かつて10万人近くが生活していたという都市の中心には、四面に菩薩の顔を彫刻した「四面仏塔」と呼ばれる塔が所せましと建ち並ぶ、バイヨン寺院がありました。一体王たちは何を思い、こうした独創的な大建築を造ったのでしょうか。遺跡に眠る王たちの記憶を紐解きます。
3日目は、アンコール王朝生誕の地、聖山プノン・クーレンへ。深い森を進み、見つけたのは川底に掘られた謎の彫刻です。聞くと、これはヴィシュヌ神というヒンドゥ教の神様だそうです。川底に掘られた神の彫刻には、国の繁栄を水に託した王朝創始者の祈りが眠っていました。夜、再びアンコール・ワットの前の広場に戻ると、世界遺産登録25周年を祝うお祭りが始まっていました。行われていたのは、神に祈りを捧げる宮廷舞踊の踊り手、アプサラのダンス。見るものを魅了する優美な踊り子とその踊りは、女性たちの憧れなんだそうです。そして旅のフィナーレ、待っていたのは現代の光を浴びて輝く王朝の最高傑作アンコール・ワット。まるで夢のワンシーンのような絶景に出会いました。