毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の旅の舞台はドイツ。ロマンティック街道やメルヘン街道と並ぶ人気の絶景街道、南ドイツのアルペン街道を巡ります。1日目、ドイツ第3の都市・ミュンヘンを出発し、バスで向かったのはドイツ最高峰・ツークシュピッツェの登山拠点、ガルミッシュ・パルテンキルヒェン。ドイツ屈指の山岳リゾート地として人気の町です。登山鉄道とロープウェイを乗継ぎ、標高2962mのツークシュピッツェの山頂を目指します。山頂に到着後、腹ごしらえに景色が見渡せる屋外レストランへ。目の前に広がる最高峰の絶景を見ながら、“ドイツ一高い場所”で食べる自家製ソーセージとビールを堪能しました。食事の後、レストランの店主に紹介されたのは、100年以上の歴史があるという山頂の気象観測所。そこに駐在する気象観測員の男性に、ツークシュピッツェの山頂より1mだけ高いという観測所の屋上を案内してもらうことに。実はそこが“本当のドイツ一高い場所”なんだそう。顔見知りの人しか登ることが許されないというその特別な場所で見ることが出来たのは、険しい峰々がどこまでも続くヨーロッパアルプスの大パノラマでした。
2日目、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンから鉄道に乗って向かったのは、“アルペン街道一美しい町”と評判高いミッテンヴァルト。オーストリアとの国境近く、標高900mの山麓の小さな町で、フレスコ画が描かれた美しい家並みが多く残っています。バイオリンの町としても有名で、およそ300年前からバイオリン作りが行われているそう。町で出会ったバイオリン職人の男性に工房に案内してもらいました。トウヒやカエデの木がバイオリン作りには欠かせないそうで、気候が厳しい高地でよく育つそれらの木が、ミッテンヴァルトでは手に入りやすいんだそう。バイオリンの木を近くに探しに行くというのでついていくと、そこは立派な木が連なる静かな森でした。なんでもミッテンヴァルトという名前は、その名も”森の真ん中”を意味するんだとか。森の近くに、バイオリン職人の男性お気に入りの場所があるそうで見せてもらうことに。そこに広がっていたのは、ドイツアルプス・カーヴェンデルの岩山と湖、そしてバイオリンの森が調和した、静けさに満ちた美しい風景でした。
最終日は、電車を乗り継ぎ、アルペン街道の東の起点、ベルヒテスガーデンへ。アルペン街道中屈指の高級リゾート地として知られます。なかでも有名なのは”ドイツ一美しい湖”と称される・ケーニヒス湖。 湖を巡る遊覧船、そこで乗り合わせた地元の男性写真家に、ケーニヒス湖が一番きれいに見える場所を案内してもらうことに。旅の最後に目にすることが出来たのは、静かな湖面に人の心を鎮めるような不思議なゆらめきがある、”ドイツ一美しい”ケーニヒス湖の水の輝きでした。 アルペン街道の自然はどこまでも静かで、それはどこか無口な友達にも似ていて、黙ってただそこにいてくれる、とても居心地のいい自然でした。