毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の舞台ヨーロッパ・バルカン半島の付け根に位置するクロアチア。風光明媚なアドリア海沿岸部の街や人気の観光スポットを巡ります。出発地の首都ザグレブは、中世の佇まいに緑もあって、のんびりと散策を楽しめる街です。新鮮な野菜や果物が並ぶ名物の朝市、歴史あるモザイク屋根の美しい教会、朝食の定番のミートパイ「ブレク」に舌鼓。散策後、アドリア海に面した港湾都市・ザダルを目指します。ザダルはアドリア海随一の夕日が眺められる絶景の街として知られ、ヨーロッパを中心に多くの観光客が訪れます。しかも、その絶景スポットには世界でも類のないシーオルガンが人気。調律されたパイプが浜辺の床に埋め込まれ、波風がそのパイプを通ると音がなるという仕組み。自然が奏でるシーオルガンの音色を聴きながら、アドリア海に沈む真っ赤な夕日は最高の風景でした。
2日目、目指すのは水と緑の渓谷・クルカ国立公園です。日本ではあまり馴染みがありませんが、実はクロアチアを始め周辺諸国の人々には、古くから人気の夏のリゾート地です。クルカ川が石灰岩の地層を侵食してできたカルスト地形の公園で、切り立つ渓谷や滝、細長い湖など独特の景観を楽しめます。ハイライトは、何と言ってもスクラディンスキ・ブク。全長800メートルの間に、石灰化によって階段状に形成された迫力満点の滝です。しかも、エメラルド色に美しく輝く滝の目の前では遊泳もOK。大自然の水辺で、身も心も癒されました。
3日目、中世の要塞都市・ドゥブロヴニクを目指します。海上交易で栄えた16世紀頃、紺碧のアドリア海に突き出すようにして築かれた街。堅固な城壁とオレンジ色の旧市街は、世界遺産にも登録されています。“黄金は売っても自由は売らず”という諺が街に残るように、古くから巧みな外交戦術で周囲の列強とも渡り合い、美しい街並みを守り続けてきました。しかし、1991年から始まったクロアチア紛争では、街の8割以上が破壊されました。戦後、人々は力を合わせ街を再建、かつての美しい街並みは甦りました。そこで出会ったのは、手作りの伝統工芸品を販売する女性グループ。内戦で負った苦しみや悲しみから乗り越えようと、みなさんで支え合いながら歩んでこられたそうです。そして最後に待っていたのは、ドゥブロヴニクの夕景。暖かな光に包まれたその景色は、彼女たちの笑顔のように優しく穏やかに煌めいていました。