毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回は、世界遺産の絶景を求めてイタリアを北から南へと縦断。旅の始まりは、イタリアを代表する観光地“水の都”ヴェネツィアから。周囲の干潟を含めた町全体が世界遺産になっています。有名なサンマルコ広場もその一つ。ナポレオンが称賛しただけあって、本当に美しい広場です。そして外せないのがゴンドラ。ゆったりと揺られながら運河を巡り、静かでのんびりした時間を満喫しました。なにもない干潟に生まれた美しい都。中世の町並みがそのまま残っていて、ちょっとしたタイムスリップ感覚を楽しみました。次に向かったのは、600年以上前から傾いたまま建ち続ける、奇跡の建築を見にトスカーナ州の古都ピサへ。そう、あのピサの斜塔です。晴れ渡った青空を背景に建つその姿は壮観でした。
続いてやってきたのが世界遺産の中の世界遺産、ローマへ。古代ローマ時代の遺跡からルネサンス時代の傑作建築まで、まるで町全体が博物館のようなローマを歩きます。この町の美しさを全て見るには1〜2年かかると言われてしまい、とにかく町歩き。まず目に留まったのは、カトリックの総本山のサンピエトロ大聖堂。ローマのランドマークのような存在ですが、実は世界一小さな独立国の「バチカン市国」です。でも、ここも世界遺産なのでした。そして向かったのが、フォロ・ロマーノ。2,000年以上前に造られた壮大な古代ローマ時代の遺跡です。その大きさにただただため息が出るばかりでした。ローマは、美食の都としても有名です。ひときわ賑わっているピザ店に入り本場の味に舌鼓。そこで出会った素敵な母娘と一緒にジェラートもいただき、五感全てでローマを楽しみ尽くしました。
続いては、イタリア半島のかかと部分にあるプーリア州のアルベロベッロにやって来ました。お目当ては、トゥルッリと呼ばれるとんがり屋根の伝統家屋。トゥルッリ職人だったジュセッペさんの案内で、ここに暮らす人しか見られない、アルベロベッロの絶景ポイントへ連れていってもらいました。かつて貧しかった先人たちが足下にあった石を使って作り上げた知恵の家がトゥルッリの始まりだったと知り、その歴史と、世界遺産となるまでに守り続けてきた人々の熱い思いを感じました。
旅の最後に訪れたのは、海洋国家として栄えたアマルフィ。その独特な景観が最も美しく見るには空からが一番、と聞いてやってきました。町をちょっと歩いてみると海沿いの狭い土地を最大限に利用して、崖の上まで家があります。そしてヘリポートへ向かう道もカーブが多く、自然が作り上げた地形がそのまま守られていることを体で感じました。そして、いよいよクライマックスの空中散歩へ。降り注ぐ日差しを浴びてきらめく海と複雑な地形に沿ってたたずむカラフルな家々。その美しさに目を奪われました。
世界遺産大国イタリアを巡った旅。その一つ一つに特別な物語があって、イタリアの長い歴史を語り続けているのでした。