毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回は北西イングランドの絶景を探す旅。最初の訪問地はイングランド2番目の都市“マンチェスター”です。マンチェスターは18世紀後半から19世紀にかけ、綿工業の機械化に成功して産業革命の中心となった街です。現在はロンドンに次ぐ金融の中心で、ポップカルチャーの発信地でもあります。そんな街中を散策していると、手を繋いで歩いてくる2人の男性に呼び止められました。「ようこそマンチェスターへ。ここはゲイの街、カナル通りよ。」いつの間にかゲイの人々が集まる一画に足を踏み入れていたようです。声をかけてきた二人組はゲイのカップル。二人に見せたいものがあると連れて行かれた先にあったのは巨大な看板。それはマンチェスターで毎年開催される“マンチェスター・プライド”というイベントの告知でした。アートやエンターテイメント、スポーツを通してゲイやレズビアン人同士、またはそうでない人が互いに交流する催しです。ヨーロッパに数あるゲイのイベントの中でも最大級の盛り上がりを見せるそうです。中でもパレードは通りを埋め尽くすほどの見物人が出て最高のクライマックスを迎えるのだとか。マンチェスターではどんな人も分け隔てなく、明るく生きていける。そんな自由な風が吹いている街でした。
マンチェスターの北60キロに位置するアイリッシュ海に面した街、ブラックプール。街に入るとサイケデリックな飾りが海岸通りの路上を埋め尽くしています。じつはその飾りは街を彩るイルミネーションでした。毎年9月から11月まで点灯されます。その隣には街のシンボル、高さ158メートルのブラックプール・タワーが聳えています。タワーの内部には、ノスタルジックな場所がありました。ボールルームというダンスフロアーに多くの老夫婦が集い、社交ダンスに興じているのです。生演奏のオルガンのリズムに乗せて軽快なステップを踏む人々。実はブラックプールは社交ダンスの世界大会が開かれる街で、シーズンになると世界中からダンサーが集まってくるのだそうです。
イギリス北西部、カンブリア州に位置する湖水地方は大小合わせて500以上の湖や池が点在するイギリス最大の国立公園です。静かな湖畔を囲む山には清流が流れ、羊や牛が草を食んでいます。こののどかな風景は多くの著名人たちに愛されてきました。ピーターラビットの著者、ビアトリクス・ポターもその一人です。ロンドン生まれの彼女は16歳の時にはじめて訪れた湖水地方の魅力の虜になり、その後農場を買って移り住みました。周囲の風景は、小さな動物たちが繰り広げた物語の舞台として登場しており、当時彼女が住んでいた家がそのまま残されています。そんな湖水地方を散策していると、牧羊犬を使って羊の群れを追っている男性と出会いました。彼は湖水地方で羊と牛を飼っている牧場主。牛の世話に行くという彼に付いて小高い丘の上にいくと牛の群れが待っていました。そこは緑と水の織りなす湖水地方の絶景が見えるポイントでした。