毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の舞台は中国最南端の海南省。海南島と小さな島々からなる、常夏の楽園です。旅の始まりは海南省の省都、海口から。ステンドグラスやバロック様式の建物が並ぶ、「騎楼」の街を歩きます。聞くと、このあたりの建物はマレーシアやタイへ行った海南島出身の華僑たちが現地で財を成して帰国した後、南の国々の建築を真似て作ったのだとか。「騎楼」の建物ひとつひとつに、華僑の夢が詰まっていました。「東洋のハワイ」とも呼ばれている海南島。その理由は南へ行けばわかると聞き、バスで3時間、海南島の最南端「三亜」へ向かいます。熱帯の木々が生い茂る穏やかなビーチ、青い空の下でダンスを楽しむ人々、新鮮なシーフード料理!海南島の1日目は、リゾート気分あふれる南の楽園に出会いました。
2日目は、海南島で海が一番美しいといわれる「ウズシュウ島」へ。ウズシュウ島へは三亜から船で20分です。「中国のモルディブ」ともよばれる、透明度の高い、青い海に出会いました。ビーチを歩いていると、至るところに恋人たちや新婚さんの姿が!ウズシュウ島には恋のパワースポットがあるため、多くの恋人たちが訪れるのだといいます。
多くの愛の伝説が残るという海南島。その伝説のルーツが三亜にあると知り、三亜の丘をめざします。丘の頂上には、鹿を囲むように刻まれた男性と女性の像がありました。ここに伝わるのは、〝鹿が美しい乙女に姿を変え、男性と女性はひと目で恋に落ち、夫婦となり永遠に愛し合った〟という愛の伝説。ここは「恋人たちの聖地」とよばれ、愛の伝説にあやかるように、恋人たちがこの島を訪れるようになったのです。東洋のハワイは、とろけそうな愛の島でした。
3日目は、日本とゆかりの深いという中国最南端に位置する仏教寺院、南山寺へ。8世紀に日本を目指した中国の高僧、鑑真の乗り込んだ船が暴風雨で大きく南へ流され、漂着したのが三亜だったそうです。遣唐使として中国に来た空海もまた、この三亜から中国に上陸しました。千年以上も前に日中の架け橋となった2人の偉人の記憶が、今も海南島に息づいていました。
ガイドさんによると、「天涯海角」という場所で見る夕日が美しく、ここにも有名な愛の伝説があるといいます。行ってみると、そこには「天涯」(天の果て)と「海角」(海の果て)と刻まれた2つの岩が。深く愛し合う恋人が家族の反対にあい海に身を投げ心中すると、2人の姿は岩となり、永遠に一緒にいられるようになったのだとか。中国版のロミオとジュリエットのような、せつない愛の伝説に出会いました。そして夕暮れ。天涯海角の上に、永遠の愛を見守るひと筋の光の道が現れます。それは、幸せへと続く、光のバージンロードのようでした。中国の南の果て、東洋のハワイで出会ったのは、愛が輝く光の絶景でした。