毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回はパリからセーヌ川をイギリス海峡に向かって下り、ノルマンディー地方の絶景を探す旅です。まずは、パリの街を散策しました。凱旋門から一直線に伸びるシャンゼリゼ通りには世界中から観光客が集まっています。その賑わいを避けて裏通りへいくと普段着のパリジェンヌやパリジャンと出会うことができます。犬の散歩に出てきた初老の女性は愛犬のために特別に作らせた自慢の首輪を見せてくれました。セーヌ川沿いで抱擁し、愛を語る老夫婦に声をかけてみると、「私たち最近知り合ったばかりよ」とのこと。愛に年齢は関係ない、日本とは恋愛事情も随分違うようです。
日暮れとともに向かったのはイルミネーションに彩られたエッフェル塔。実はこのイルミネーション、1時間に1度点滅する仕掛けがあるのです。点滅するエッフェル塔はまるで夜空に浮かび上がるロウソクのようでした。
セーヌ川河口の港町 オンフルール。ここはモネ等、印象派の画家たちに愛され描かれてきた町です。多くの漁船やヨットが並ぶ旧港や15世紀に船大工によって建てられたサントカトリーヌ教会は当時の面影を色濃く残しています。そんな町を散策していると一軒の画廊を発見しました。ショウウインドーにはオンフルールの風景を描いた作品が飾られています。中では画廊の主、ダニエル・ラレマンドさんが新たな作品に取り組んでいました。「この町は僕に限りない絵の題材を提供してくれるんだ。」ダニエルさんもかつての巨匠たちのようにこの街の光と影の魅力に取り付かれた画家なのです。
ノルマンディー地方の旅の終わりに選んだのは“海上のピラミッド”と異名を取る修道院、モン・サン・ミッシェルです。8世紀に建設がはじまり、本格的に要塞化されたのは14世紀。現在の姿になったのは15世紀後半のことだそうです。実は今、このモン・サン・ミッシェルを上空から眺めるツアーが人気を得ています。上空から眺めれば要塞が海にぽっかりと浮かんでいる様子がよくわかるというのです。早速そのツアーの申込所へ行ってみると、待っていたのは2人乗りの超軽量飛行機、モーターハングライダーです。ベテランパイロットの案内で、後部シートにスタンバイ。胸を躍らせて、離陸を待ちます。そして、いよいよテイクオフ!滑走路を飛び立つと、一気に高度を900メートルまで上げていきます。しばらくすると、雲の合間からモン・サン・ミッシェルが顔を覗かせました。千年の時を越えて静かにたたずむフランス一美しい修道院でした。