「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#340 皇帝たちの夢の跡 霧のホーエンツォレルン城(ドイツ) 2017/3/3 O.A.

旅の始まりは、国際的な大学町「テュービンゲン」

ホーエンツォレルン城をめざす旅。はじまりはドイツ南部にある玄関口の町、テュービンゲン。赤いレンガの屋根とパステルカラーの壁がかわいらしい町です。ここはドイツ最古の大学の一つ、テュービンゲン大学があり、世界中の国から学生が集まる、活気のある町です。街の中央にあるプラタナスの小径は、葉が色付きロマンチックな散歩道です。多くの詩人や哲学者を生んだ街でもあり、ノーベル賞作家でもあるヘルマン・ヘッセもこの町で青春時代を過ごしました。そのヘッセが18歳から4年間働いていた書店が現存していて、訪れることができます。ヘッセがいた頃はその書店には30万冊の本があり、働きながら本を読み漁ってインスピレーションを得て、このテュービンゲンで処女作を発表したそうです。文化の薫る町でした。

ドイツ皇帝を生んだ名門家の城

旅の2日目からはドイツで屈指の美しい城と言われる「ホーエンツォレルン城」を目指します。この城はドイツ統一を成し遂げ、プロイセン王国を作ったホーエンツォレルン家の城。ドイツ皇帝を生んだ名門中の名門家です。11世紀に最初は建てられたものの、戦争で何度も壊されて、現在の形になったのは1867年。そのあまりの美しさ、壮大さ故、映画のロケ地としても度々登場するそうです。麓の町、ヘッヒンゲンの住民にとっては城は町のシンボル。偶然出会った住民の方の住宅にお邪魔すると、城を毎日見るために作ったバルコニーまであり、そこで朝食を食べ、夜はワインを飲むのが特別な時間だとか。そして最寄りのシュトュットガルト空港からヘリコプターに乗り、遊覧飛行を体験。空から見るお城はまるで山と城が一体となって見え、まさに皇帝のように山の頂きで、堂々と輝いていました。

年に数回 霧に包まれたホーエンツォレルン城

最終日は早朝に宿を出発。城が目の前に見渡せるという絶景ポイントのツェーラーホルンへ。城と山が霧に包まれる姿が年に数回だけ起きる、という情報を聞いてむかったところ・・・なんと霧が出ていました。そこは本当に城が目の前に見渡すことができる、最高のロケーション。周囲は霧がたなびき、城のある山はまるで白い海に浮かぶ島のようでした。この絶景をカメラに収めようと世界中から写真家たちが集まっていて、地元の方によると、こんな風に霧に包まれるのはめったにない特別な風景だそう。そして日が昇ると城にスポットライトが当たったかのようです。晴れ渡った空の下、真っ白な霧に包まれて、過ぎた時代を懐かしんでいるかのようでした。