毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりはノルウェーの首都、オスロ。観光客にも大人気のフィヨルドツアーを楽しみにやって来ました。出発は翌朝なので、まずはオスロの町を散策です。港を歩いていると秋の祭典「食の博覧会」が開催されていて大賑わい。ヤギのミルクをじっくり煮込んで作る甘いキャラメル風味のブラウンチーズ店、ジャムやヨーグルトソースかけ放題のパンケーキ店、薫製のトナカイ肉店など、ノルウェーの名産品を販売する屋台が軒を連ねていました。港を離れ町の中へ入っていくとカフェを発見。店内には目移りしてしまうほど、レトロでオシャレな北欧インテリアもたくさん販売されていました。長くて厳しいノルウェーの冬。でも、こうしてカラフルでかわいい家具や雑貨に囲まれていれば、楽しく快適に過ごすことができる。ノルウェーならではの暮らしの知恵を知ることができました。
翌朝、いよいよフィヨルドツアーに出発。目指すは世界遺産にも登録されている「ネーロイフィヨルド」です。オスロから乗車したベルゲン鉄道では、車窓に岩山や湖、氷河を纏った山脈など変化に富んだ風景が目の前に広がり絶景の連続。また、途中乗り換えたフロム鉄道では、駅のホームから迫力満点のショース滝を眺められ、ノルウェーらしい水と山の風景を楽しむことができました。起点の町、フロムからは遊覧船でネーロイフィヨルドへ。長い年月をかけ氷河が大地を削り生み出した断崖は荒々しくダイナミック。でもそれとは対象的に、水辺佇む小さな集落の周囲は柔らかな緑の草木に覆われていました。フィヨルドには、こんなに穏やかで優しい風景があるとは思いもよりませんでした。
西部の町ベルゲンでは、かつて交易商人たちが建てた三角屋根の古い町並みを散策。300年以上もの歴史を持つレストランでは、見た目はいかついけど食べれば絶品のオオカミウオに舌鼓。そして、立ち寄ったお土産屋さんで目にしたのは、「トロル」という妖精の人形。時には親切に、時には悪さもするという妖精だそうです。聞けば「トロルの舌」という名を持つ岩があり、そこから眺める湖と山の大パノラマは壮観だというので、行ってみる事にしました。玄関口のオッダまでバスで約3時間。そこから約6時間のトレッキングした先にあったのは、空中にせり出すようにして突き出た「トロルの舌」。下からの高さは700メートル、手すりも囲いも一切無しのまさに驚異の断崖です。一番のお薦めは朝日を浴びた大パノラマとのこと。山の中でテントを張りその瞬間を待つ事にしました。翌朝5時、しばらくすると山の頂きから太陽が顔をのぞかせ、美しい青空が。波ひとつない完璧な水鏡は青空を映し、周囲の山や岩肌は朝日に輝き圧巻の大パノラマが広がりました。この日、限りなく穏やかに晴れ渡った大地。もしかすると、妖精トロルからのプレゼントだったりして。