「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#326-327 感動旅!アジアの神秘スペシャル 2016/11/11 O.A.

陸のハロン湾 タムコック

まず訪れたのはベトナム。お目当ては陸のハロン湾こと、世界遺産のタムコック。美しい川の流れを囲むいくつもの奇岩奇峰を小船の上から眺めるツアー!のはずだったのですが・・・天気はまさかの雨。しかし船着き場へ向かってみると、なんと船が出ているではありませんか!早速私も、気さくな船頭のお母さんと共にタムコックへ。目の前に広がるのは、どこまでも続くゴツゴツとした岩山と美しい川。そこにうっすらと霧がかかって。まるで水墨画の中に飛び込んだみたい。聞こえるのは水の音だけ・・・。まさに雨の恵み、ですね。
そして、船頭のお母さんが教えてくれたのはタムコックの最も美しい時。それは朝日に照らされた瞬間なのだとか。翌朝早く、再びお母さんと共に最も美しく見えるポイントへ。やがて岩山の稜線から大きな朝日が顔を出しました。大自然が生んだ悠久のタムコック。美しい川は光をまとい、輝きながら流れていきました。

40年燃え続ける巨大穴 地獄の門

次に訪れたのは、天然ガスの恵みを受け、大きな発展を遂げてきた国、トルクメニスタン。砂漠の真ん中で40年以上もの間、燃え続ける巨大な穴「地獄の門」を見に行きます。美しい時間は夜。特に夜明けの瞬間が最も輝くのだとか。早めに就寝し、夜の地獄の門に向かうと・・・。目の前に広がったのはまさに「地獄」にふさわしい迫力の景色。巨大な穴の中で真っ赤に燃え盛る炎は圧巻です。そして、空が赤く染まり始めたとき。地上で煌々と赤い光を放つ「地獄の門」と朝焼けの空が溶けあって。この世のものとは思えない、まさに神秘的な光景でした。

夜空を舞う祈りのランタン

続いては台湾。絶景は、旧正月最後の日に行われるという、あるお祭り。祈りを込めた無数のランタンを夜空へ飛ばすという一大イベントです。昼間、現場近くの駅前ではランタンに願いごとを書く人で大賑わい。そして夕暮れ。祭りの会場には大勢の人々が集まりました。これから1000個以上のランタンが8回に分けて飛ばされるのです。夕闇の中、ひとつ、またひとつと願いが込められたランタンに灯がともされていきます。そして・・・数百個のランタンが一斉に夜空へ放たれました。人々の思いが紡ぎ出す、まさに一夜限りの夢の絶景でした。

王が愛した光の宮殿ク―ハーカルハット

そして微笑みの国・タイで訪れたのは、王国の英雄にして近代化の父、ラマ5世が愛した宮殿「ク―ハーカルハット」です。洞窟の中に建てられたタイで最も小さくて美しい宮殿なんですって。さっそくガイドさんと共に山深くにある洞窟を目指します。船に乗って海を渡り、険しい山を登って・・・。思った以上にしんどい道のりなんです。そしてついに現れた洞窟。ずっと昔、雨風に侵食されてできた巨大な鍾乳洞なんだそうです。洞窟の一番奥に姿を現したのは、100年以上前に洞窟に魅せられたラマ5世が建てた小さき宮殿・ク―ハーカルハット。なんだか厳かな雰囲気に包まれた不思議な宮殿なんです。もっとも美しいのは午前中のわずか1時間だけ。その短い間だけ、洞窟の天井に空いた穴から太陽の光が差すんです。やがてゆっくりと、太陽の光に包まれていく宮殿。人々に慕われた王の想いが、今も光となって宮殿を守っているような…そんな、不思議な気持ちになりました。

雲海の寺 峨眉山

続いては中国・四川省にある世界遺産、峨眉山へ。雲海の中に現れるという幻のお寺を見にいきます。今では誰もお寺の側に行くことはできないということ、そして「一日の中に四季あり」と言われるほど天候が変わりやすい峨眉山ではよほど運が強くないと雲海が見られないというのが幻たる所以なのです。初日はやはり霧だらけ・・・。真っ白で何も見えません。翌朝、気持ちを切り替え、再び雲海の出現を待ちます。太陽が見え、少しずつ空が晴れてきたその瞬間。見事な雲海が・・・。そしてその中から姿を現したのは、まさに天空に浮かんでいるようなお寺でした。その幻想的な光景にしばし時を忘れてしまいました。

ヒンドゥー教の一大聖地バラナシ

最後に訪れたのはインド北部、ガンジス川のほとりに拓けたバラナシです。迷路のような狭い路地を抜けるとガンジス川が現れます。この全長2500kmの大河はヒンドゥー教の聖地。ここでは一日中、沐浴をしながら祈りを捧げる人の姿が絶えません。そんなガンジス川の一番美しい時間帯は日没後。プジャーと呼ばれるヒンドゥー教の儀式が開かれます。祈ることで罪を清め、来世も人間に生まれ変われると信じられているんだそうです。修行僧の笛の音とともに始まる儀式。やがてガンジス川が美しい金色の灯りに照らされ、そこに集う人々の大きな祈りに包まれるのでした。