「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#320 天国への階段 元陽(中国) 2016/9/30 O.A.

旅の始まりは首都、昆明から

旅の始まりは、中国雲南省の首都、昆明から。雲南省は一年中春のように穏やかな気候が続く、常春の地です。町を歩いていると地元の人に雲南省の名物料理「ミーシェン」をすすめられ、食べてみることに。米粉から作られる麺で、のどごしの良い、つるっと美味しい麺でした。店員さんに聞くと、雲南省の南部にある有名な棚田「元陽」でとれたお米を使っているのだとか。元陽の棚田は、山肌を頂まで埋め尽くすその眺めから「天まで続く階段」といわれていると言います。昆明からバスで6時間、早速元陽を目指します。

ハニの人々が作り上げた世界最大の棚田群

元陽は標高1500メートルほどの高原の町。町の露店には、民族衣装を売っているお店が数多くありました。実は、元陽は少数民族が多く暮らす町。元陽の棚田も、ハニの人々が1300年もの歳月をかけて作り上げたものだといいます。地元のハニのガイドさん、馬さんに案内してもらった“天から一番近い場所”と言われる棚田は無数の棚田が空高く続き、まるで大地の彫刻のような美しさでした。農民が空に背を向け、一枚一枚作り上げた3000段にも及ぶ棚田。はるかな人の苦労が生んだ、奇跡の絶景を目の当たりにしました。
馬さんが家族で耕しているという棚田を見に、棚田のすぐそばまで降りてみることに。棚田で使われていたのは、豊かな山水。水田ではフナを養殖していました。きれいな水に美味しいお米。棚田はまさに、ハニの人々の命のみなもとでした。

3000段の棚田が朝日に輝く瞬間

棚田が最も美しく輝くのは朝日の瞬間だと聞き、早起きをして朝日の棚田へと向かいます。ゆっくりと目覚めていく彫刻のような大地に、朝一番の太陽が色を与えます。美しい水鏡となって光り輝く、先祖から脈々と受け継がれてきたハニの人々の誇り。これからも変わらず守り続けられる絶景を前に、本当に天まで登れるような気持ちがしました。