毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりはトルコ中央部に位置するカッパドキア。この国を代表する世界遺産として、世界に知られた場所。観光の起点となるギョレメ地区の観光案内所で「奇岩」の集まる場所について情報を得ます。紹介されたツアーガイドのハリルさんとともに車で移動。まもなく現れたのは、まるでキノコのような岩の数々。「妖精の煙突」と現地の人々が呼ぶ不思議な光景が現れます。近隣のエルジェス山による1400万年前の大噴火によって溶岩質と石灰質の地層が重なり、その後、長きにわたる浸食作用によってこのような風景が誕生したそうです。その後、ハリルさんは岩山にたくさんの穴があいている不思議な場所へ連れて行ってくれました。そこはかつてキリスト教徒たちが暮らした場所。暗闇教会と呼ばれる洞窟の教会で、壁一面に鮮やかに残った素晴らしい宗教画に感動しました。
朝7時、新鮮な空気を吸いに散歩していると空にたくさんの気球が浮かんでいました。地元のおじさんによれば「絶景を見るならまさにコレ!乗るなら腕の良いパイロットの会社を探したほうがいい!」と勧められました。さっそく町の気球会社を探し、翌日のチケットを予約。そして思いがけず、女性気球パイロット・ブーセさんに出会うことに。子供の頃からパイロットになりたかったという彼女は毎朝素晴らしい景色の中で仕事をすることに誇りを持っていると言い、期待が大きく膨らみました。翌朝まで空いた時間、カッパドキアの名物料理テスティケバブを堪能。店員さんや地元の人々からの情報を得て、今も洞窟住居に暮らしているアイシェおばあさんと出会います。白い丸みのある岩の壁、ぬくもりのある手作りの絨毯、そして岩とともに暮らすことを愛するアイシェさんの思いに暖かい気持ちになりました。その思いを胸に、町で偶然見つけた洞窟ホテルに宿泊することに。
早朝5時30分、予約した気球会社にやってきました。用意されたバスで出発地点に移動すると、そこでは大きな虹色の気球が!乗客の安全のため入念にチェックするブーセさんの姿がありました。出発するとしばらく低空飛行。岩肌すれすれに近寄り、奇岩の不思議な世界の中をゆったり移動します。まるで岩が大地からにょきにょき生え出ている姿、そして恐竜の背中のような不思議な奇岩は、これまで目にしたことのない景色。しばらくすると気球は上昇。そして日の出の瞬間を迎えます。そのとき、雲海の向こうに大きな山が姿を現します。カッパドキアの不思議な風景を作ったエルジェス山でした。そして、朝日がカッパドキアの大地を染め上げると、壮大な渓谷の数々が姿を現し、それはまるで岩の楽園のように思えたのでした。