毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
広さは日本の四国ほどという小さな国・ベリーズ。旅の始まりは最大の都市・ベリーズシティから。カリブ海に面した港町です。まず目についたのは屋台の果物屋さん。なんとベリーズでは塩と唐辛子を混ぜた粉をかけてフルーツを食すそうで・・・。物は試しとさっそくオレンジにかけて食べてみることに。唐辛子が効きすぎて表現しづらい味でしたが、暑さ対策には良いのかも・・・。それにしてもベリーズってあまり聞きなれない国だけど、いったいどんな国なのかしら?と通りを歩いていると地元のおばさんに遭遇。なんでも35年前にイギリスから独立したばかりだと教えてくれました。とても新しい国だったんですね。誇らしげにベリーズについて話してくれるおばさん。この国が大好きなんだろうなあ。そんなおばさんが教えてくれたのが「海に空いた巨大な穴・ブルーホール」の情報でした。「とても美しいメインアトラクションよ!」と、力説を聞いているうちにとても興味が沸いてきました。
海に空いた巨大穴ブルーホールへ行くには、プロのガイドが必要という情報を得て、やってきたのはダイバーショップ。オーナーのジョンさんはブルーホールへ1000回以上も行ったというベテランガイドでした。ジョンさんが教えてくれたのが、ブルーホールは人気のダイビングスポットだということ。そして巨大な穴の中には神秘の大鍾乳洞が眠っているということでした。海の中の鍾乳洞なんて聞いたことありません。翌朝、さっそくボートに乗ってカリブの大海原へ。ブルーホールまでは2時間半の長旅です。道中出会ったのは、野生のイルカや果てしなく続くマングローブの森。そして世界第2位の大きさを誇るサンゴ礁群ベリーズバリアリーフなどベリーズの圧倒的な大自然でした。ジョンさんがボートの上で教えてくれたのはこの豊かな自然こそがベリーズの宝なのだということ。そして生き物のためにも人間のためにもこの自然を守っていくことが大切だということでした。本当にその通りだなあ、と思わずにはいられない美しい風景の数々でした。港を出て2時間半。サンゴ礁に囲まれた浅瀬の中、ブルーホールは突然姿を現しました。エメラルド色の海の向こう側に深い青色の巨大なホールが広がります。想像以上の大きさに思わず息をのみました。
1万年前は陸地だったというブルーホール。長い年月をかけ、鍾乳洞ができ、やがて天井がホール状に崩れ落ち、海に沈んだのだといいます。いよいよホールの中へ二人のダイバーさんと共にダイビング。そこはわずかな光が届くばかりの暗くて冷たい海の世界。深さ40m付近、ついに鍾乳洞にたどりつきました。太陽の光に照らされ、驚くほど澄んだ海の中で青く輝く鍾乳石。まるで地球の体内に入ったような・・・そんな不思議な気持ちになりました。そして翌朝。小さな飛行場を訪れたのは海からでは見ることができなかった、あの完璧な真円をこの目で確認したかったから。小さなセスナ機に乗り、30分。青く晴れた空の下に現れたブルーホール。海の中のひときわ青い海、サンゴ礁が丸く縁どった「真ん丸」の姿が一望できました。私には、それがまるで大きな瞳のようにも見えたのです。カリブ海の澄んだ青い目、ブルーホール。この美しい目がいつまでも曇ることのないよう祈らずにはいられませんでした。