毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりは、スコットランドの首都・エディンバラ。中世からの歴史が色濃く残る観光都市です。街中でユニークな魔法使いの大道芸などを見物しながらたどりついたのは、この街一番の観光名所「エディンバラ城」、かつてイングランドとスコットランドの戦いの舞台となった古城です。中世の時代から毎日13時に鳴らされる大砲を堪能したり、城のてっぺんから街の眺めを楽しんだり・・・そして、歴史好きの地元の青年と知り合います。彼から「スコットランド人にとって、イングランドと勇敢に戦った長年の歴史は誇りなんだ」と教えてもらいます。そして、スコットランドには、歴史を物語る美しい古城がたくさんあることについても・・・。「あの、海の向こうには、断崖の古城ダノター城がそびえているんだ」青年が特に好きだというのが北海の向こうにあるダノター城なのだとか。「断崖の古城」その青年の言葉に強く惹かれダノター城を目指すことにしました。
ダノター城の玄関口、ストーンへイヴン。お城まで歩いて行けると聞き、海沿いの気持ちいい道を散歩しながら歩いて行くと・・・。城に近づく程に深い霧に覆われ道を見失いそうになりながら、なんとか城らしきところに到着。真っ白な霧の中から城のシルエットがほのかに現れました。霧が晴れるのを待ってみると・・・霧の中から姿を現したのは断崖の古城、ダノター城でした。イングランドとの戦いに破れ、廃墟となって300年。スコットランドの要衝として断崖に立ち続け、ぼろぼろになっても民を守った勇敢なその姿がありました。
城の管理人のジムさんの案内でお城の中へ。かつて城主が豪勢に客をもてなした応接室や、100人の使用人が暮らした住居などを巡りながらジムさんの一番お気に入りのテラスへ案内してもらいます。かつて、兵士達が城を守るために監視をしていた場所だそうです。そこは、荒々しい海と、断崖絶壁の崖が見渡せるまさに断崖の古城ならではの絶景のテラスでした。帰り道、スコットランドの伝統楽器バグパイプの暖かい音色と出会います。バグパイプはお祝いの儀式など「幸せの音」として親しまれている楽器だそうです。ダノター城に響き渡る幸せの音色、とっても素敵でした。
ダノター城が最も輝く瞬間。それは、日の出です。管理人のジムさんに「岩と城が一体になるシルエットがとても美しい」と教えてもらいました。早朝5時に起きて、朝日のダノター城を見に行きます。ゆっくりと赤、紫、黄色、オレンジ・・・と色づいてゆく空のホリゾント。日の出の時を待つ黒々としたシルエット。シルエットになるこの瞬間だけは廃墟であることを忘れさせてくれるようです。そして、日の出の時・・・。海が赤く輝きだしたそのとき、失われた城に一瞬命が宿ったような気がしました。耳を澄ますと、ここで暮らした人々のざわめきが聞こえてくる様な・・・。そんな気がしました。