毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅のスタートは砂漠の国トルクメニスタン唯一の港町・トルクメンバシ。世界最大の湖・カスピ海沿岸の歴史ある町です。町の人によるとこの港町には唯一にして最大のビーチリゾートがあるんだとか。早速ビーチに向かってみると、ビーチ沿いに建てられた白亜のホテルに豪華なクルーザーとゴージャスな雰囲気。この付近のオススメの場所をクルーザーの運転手に聞いてみるとヤンギカラという、かつての海の名残である巨大な渓谷があるんだとか。ヤンギカラへの旅に向けホテルでガイドの手配をすませると、カスピ海にちょうど夕日が沈む時間。海がない国に住む人々が愛する“カスピ海”に夕日が沈む瞬間をみることができました。
翌日、ガイドのバティールさんと共に、渓谷ヤンギカラへいよいよ出発。バティールさんによると、そこはかつて海の底だった場所だったそう。海底のあとが風雨による侵食で今の姿になったんだとか。途中、小さな村を抜けいよいよヤンギカラへ。もっとも美しいのは夕日で太古の海が赤く染まる瞬間なんだそう。夕日に間に合うように向かいますが、そこは砂漠の真ん中、悪路とラクダに行く手を阻まれなかなか進めません。その日のうちにヤンギカラへは着いたものの、あたりはすっかりもう真っ暗。テントで一泊することに。そして翌日、少し歩くと目の前に太古の海が作り上げた渓谷が姿を現しました。
ヤンギカラの別名は「炎の渓谷」。地層の赤さがその名の由来なんだそう。赤い渓谷がさらに真っ赤に染まる夕日の時間まで、このヤンギカラの地にある聖地に向かうことに。そこはかつてイスラムの聖者が暮らしていた村のあと。ヤンギカラを愛した村人の墓だけが今も残るとても静かな場所でした。そしていよいよ夕日の時間、炎の渓谷が真っ赤に染まるときを迎えるヤンギカラへ。そこへ現れたのは聖地への巡礼にやってきた巡礼者でした。古来から巡礼者に愛されてきたヤンギカラ。夕日に照らされひとときだけ現れた赤い海から遥かなときを超えて波の音が聞こえて来る、そんな気がする眺めでした。