毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
ヨーロッパからアフリカへの玄関口の町、モロッコ北部のタンジェ。町を歩く男性はイスラム教の正装「ジュラバ」を着ている。金曜日の礼拝は正装で参列するのが習わしとか。町の一角に建つ門。門の先は旧市街だそうで、細い路地が入り組む迷路のような作りになっているそうだ。中にはマーケットもあるので、探索してみることに。スパイス屋に肉屋、入り組む路地を進むと自分がどこにいるのかわからなくなる。すると音楽が聞こえてきた。音楽喫茶のようで、世界中から訪れる旅人のために演奏しているという。モロッコの音楽は、世界中の音色が混ざり合い、懐かしさとともに不思議なメロディを奏でる。モロッコの絶景を聞くと、タンジェからバスで1時間走った町シェフシャウエンがお薦めだそうだ。青い町で夕暮れには更に青く輝くという。今回の絶景はシェフシャウエンに決めた。
山の斜面に広がる町シェフシャウエン。建物自体が青く、山並みと青のコントラストが印象的だ。路地を歩いても青の世界。なぜ青なのか?ペンキ塗りの職人に聞くと、理由はわからないという。ただ、スペイン統治から独立した時に祖先たちが町を青に塗ったのが始まりだと教えてくれた。路地を進むと、ひときわ青が目立つ家があった。アンダルシア建築を色濃く残すホテル。その室内も青。「青はやすらぐ色」だと教えてくれた。この町の人々にとって青は心の色なのかもしれない。
青い町が更に青さを増すのが日没のわずか10分間。その絶景を見に町の高台へ。太陽が山陰を目指す頃、ほんのり空が赤みを増していく。すると、町の青い建物の色が次第に濃くなっていく。自然がつくり出す赤い空と青い町のコラボレーション。それはわずか10分しか見られない短いレビューだ。モロッコで貴重な絶景に出会えた瞬間だった。