「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#279 レナ川の巨大石柱群(ロシア) 2015/10/23 O.A.

世界一の寒暖差・ヤクーツク

今回の絶景は、90年代までほとんど外国人が立ち入ることができなかった、シベリアの秘境。「レナ川の巨大石柱群。地球上にこんな風景が残っていたのか!と誰もが驚嘆する、圧倒的な大自然です。まずやってきたのは、ロシア、サハ共和国の首都であるヤクーツク。北の大地シベリアのイメージとは異なり、この町の夏は暑いんです。なんと最高気温は40度にもなるそうです。しかし、冬になると寒いとマイナス60度。その寒暖差100度という、世界で一番、夏と冬の気温差が激しい過酷な環境です。それだけでなく、この町に来て驚いたのは、住民のほとんどが、日本人に顔がよく似たアジア系の人々だったこと。彼らはヤクート人と呼ばれる、正真正銘のロシア人ですが、遥か昔、南方から移住してきた民族だそうだそうです。この町のヤクート人は、みんな人懐っこく、行く先々で親しくなりました。そんな人々に勧められ、行くことにしたのが「永久凍土の王国」という、この町を代表するテーマパーク。実はこの町、真夏の地上の気温は40度でも、地下2mも掘れば凍った土ができます。これが「永久凍土」と呼ばれるもので、この地層は地下600mまで続くそうで、つまりは凍った大地の上に私たちは立っているんですね。このテーマパークでは、永久凍土から掘り出されたマンモスなどみどころ満載。その過酷すぎる大自然を体感し、早速、世界一の寒暖差が生んだ奇跡の絶景へ…。

「レナ川の巨大石柱群」へ…

ヤクーツクから、ロシア第二の大河、レナ川を約80キロほど南下したところに、世界遺産「レナ川の巨大石柱群」はあります。1年の半分以上はレナ川が凍って行けませんが、夏は豪華なクルーズ船で石柱群まで行くことができると聞いて、早速、クルーズ船乗り場へ・・・。夜8時、船は大きな汽笛を鳴らし一晩かけてゆっくりと石柱へと向かいます。船の乗客は、ほとんどが地元ロシアの観光客。仲良くなったおじさんによると、「石柱に一度でも行ったら誰もが必ず、また行きたくなる」ほどすごいところなんだとか・・・。そして翌朝。デッキに出ると、びっくり。垂直に切り立った、高さ100mはあろうかという巨大な岩が、何百、何千本も延々と続いています。聞けばこの巨大石柱、この先20k以上も続いているのだとか・・・。そして船は川岸に上陸。石柱群を見渡せる展望台へ。1時間ひたすら歩いて坂をのぼり、やっと到着。そこは石柱が乱立する川を見下ろせる、想像を絶する美しさ。こんな奇岩の大地、初めて見ました。ガイドさんによると、1990年代まで外国人は立ち入り禁止で、この絶景が世界的に知られるようになったのは数年前の事だそうです。まさに知られざる秘境。こんな風景が地球上にあるなんて…。なぜ、こんな景観が生まれたのか?ガイドさんに聞くと・・・「100℃の寒暖差によって、夏に岩に入った水が、冬に凍って膨張し、岩の表面が崩れていき、今の形になった」のだそう。世界一過酷な大自然だから生まれた絶景なんですね。

「巨大石柱群」と夕日の絶景

今度は、巨大な石柱をまた別の角度から観るために、小型のモーターボートで遊覧。石柱群が最も美しく見えるのは、夕日が沈む頃。石柱が刻々と色を変える時間帯だそうです。ガイドさんとともにボートで、何十キロも続く石柱群が見渡せる対岸へ・・・。石柱群を反対側から夕日が照らし始めています・・・。ガイドさんによると「この風景が楽しめるのは一年のうちわずか数ヶ月。そのうち、夕日に輝く石柱が見えるのは何日もない」そうです。そして午後6時…。夕日が岩山の西側にしずんで行きます。天に向かって、垂直に切り立つ、高さ100mもの巨大な岩たちが夕日に染まり、やがて最高の一瞬を迎えます。世界でも類を見ない、過酷な大自然が、神様とともにつくった彫刻のようでした。