「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#276 奇岩の赤砂漠ワディ・ラム(ヨルダン) 2015/10/2 O.A.

アンマン

今回は中東、ヨルダンの絶景へ。まずは首都アンマンから旅は始まります。アンマンはヨルダン全体の実に4分の1の人口、120万人の都市。街にはイスラム寺院やまるで迷路のような大市場…。朝から人々の活気で溢れています。この街の歴史は古く9000年前には既に定住地になっていたといわれていて、旧市街の高台にはアンマン城址がありました。ここからは町が360度見渡せるといいます。さっそく入ってみることに。特に有名なのは、古代ローマ皇帝によって築かれたというヘラクレス神殿。その神殿の上まで行くと、山並みに沿って立ち並ぶ、見渡す限りの象牙色の家々が一望できます。ヨルダンで採れる石を材料に建てられたので同じ色になったと聞きましたが、その美しい統一された町並みには圧倒されます。独特の優しさを持つアイボリー色の町は、まるで青空に溶けこんでいくようでした。

アカバ

アンマンからバスで4時間半。向かったのは紅海の町アカバ。ヨルダンで唯一海に面しているビーチリゾートです。世界でも有数の透明度を誇るといわれている紅海はダイバーの憧れの地であり、マリンスポーツが盛んだそうです。さっそく私もシューノーケリングに挑戦してみます。ビーチでシュノーケルとフィンを借りて海へ…桟橋から海へ潜ってみます。そして目をあけると、そこはもう別世界。地上の喧噪を忘れてしまうくらいの、色とりどりの珊瑚と魚の群れが出迎えてくれます。まるで広大な水族館にいるみたい。癒しの海を満喫した後は、砂漠の大絶景、ワディ・ラムを目指します。

ワディ・ラム

ヨルダンいちの絶景は360度砂漠を見渡せる場所、ワディ・ラムからの夕日だと聞き、アカバから車でおよそ1時間、砂漠自体が世界遺産にもなっているというワディ・ラムの入り口に到着しました。砂漠の奥へ進むには地元のガイドさんしか行けないということで、先住民族ベドウィンのハーレッドさんに案内してもらうことに。ジープで走ること30分、景色が徐々に変わっていき、見渡す限り奇岩と砂の大地へと変貌しました。まさに「月の谷」と呼ばれるだけあります。まるで違う惑星に来ているかのよう…。奇岩には、無数の壁画が刻まれています。その大半は今から2000年以上も前に描かれたものだそうです。待ちわびた夕暮れの時刻。巨大な奇岩、切り立つ絶壁、砂漠の全てを夕日が赤く染めていきます。きっとこの光景は、2000年の刻を超えて、今も昔も変わらず人々に愛されてきたのでしょう。自らの役目を終えた太陽は、ひっそりと奇岩のむこう側へ姿を沈めました。