「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#268 神秘の大潮モン・サン・ミシェル(フランス) 2015/8/7 O.A.

サンマロ

今回の舞台はフランスの世界遺産、モン・サン・ミシェル。年間300万人もの旅行者が訪れる、世界屈指の観光地です。旅の始まりはフランス北西部、海辺の町サンマロ。モン・サン・ミシェル観光の拠点の町でもあります。潮風が気持ちいいなぁ。町の中心へ行くと、大きな市場がありました。野菜や肉もありますが、特に魚貝類がたくさん売られています。「モン・サン・ミシェルは修道院で有名だけど、実はこの湾で育つ魚や羊も美味しくて有名なんですよ」と店の人が教えてくれました。そうだったんだ…知らなかったなぁ。モン・サン・ミシェルへはここからバスで1時間とのこと。期待に胸を膨らませ、出発です。

モン・サン・ミシェル(干潮)

車窓を楽しんでいると、あっという間に到着です。わぁ…本当に美しい建物だなぁ。1000年以上も前に造られたなんて、信じられません。絶景ポイントだというダムの上にある展望台へ行くと、そこでモン・サン・ミシェルを描くエロディーさんという女性に出会いました。彼女はモン・サン・ミシェル専門の画家で、彼女の夫もまた専門の写真家だそうです。ご夫婦で同じものをテーマに活動しているなんて、とっても素敵。そんな彼女たちが勧める風景は、満潮時のモン・サン・ミシェル。なんと今月最大の大潮が明日の夕方だそうです。これはラッキー!
翌日、大潮までにはまだ時間があるので、この町の外れから出ている小型飛行機に乗り、空からのモン・サン・ミシェルを楽しむことにしました。十分助走をつけて、飛行機はみるみる高く上がっていきます。上空から見ると、まるで湾の中にぽつんと島を置いたみたい。今は引き潮なので、周囲は完全に陸続きです。これが夕方には完全な孤島になるんですね…なんだか不思議。楽しみです。

モン・サン・ミシェル(大潮)

夕方、モン・サン・ミシェル湾に潮が満ち始めました。先程まで陸地だった場所は、波が押し寄せどんどん海になっていきます。中世の人たちはこの波に飲み込まれ、命を落とすことも覚悟した上で、願いを叶えるためにモン・サン・ミシェルに巡礼に来ていたといいます。それほどまでにここは人々にとって大切な場所だったようです。展望台へ行くと、再びエロディーさんに出会いました。今回は旦那さんも一緒です。「よくぞ美しい瞬間に来てくださいました。間もなく満潮ですよ…」とエロディーさん。海と夕映えを従えて、ひときわ美しい姿をみせてくれました。「私にとってモン・サン・ミシェルは天国です」と旦那さんが言うと、エロディーさんは「私にとっては光です」と言いました。ひとりひとりのまなざしに映る、それぞれのモン・サン・ミシェル。その表情は、想像以上に多彩でした。世界中の人を魅了するこの島に、いつしか私も魅せられてしまったようです。まさに、モン・サン・ミシェルは大潮の海に浮かぶ神秘の聖地でした。