毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりはアラスカ。数千もの氷河があるという、チュガッチ国立森林公園の氷河クルーズに参加します。氷河に向かって船を出すと、早速イルカやクジラの親子に遭遇。アラスカの豊かな大自然を間近に感じることが出来ました。カヤックに乗り換えると、いよいよ、海へと流れ落ちる氷河の懐へ。青く輝く氷からは、遥か昔に閉じ込められた太古の空気が溶け出ていました。さらに、船長のお勧めで、ダイナミックな氷河の崩落が見られるというサプライズ氷河へ向かいます。巨大な氷の壁が、雷鳴のような音を響かせながら、海へと崩れ落ちる姿は圧巻。刻一刻と姿を変えながら、氷河は美しい青の輝きを放っていました。
メキシコとの国境近くにある、真っ白い砂丘「ホワイトサンズ」。白く輝く砂の正体は、石膏の結晶なのだとか。本来は透明だが風によって擦れ合うことにより傷が付き、白くみえるといわれています。ここは、世界最大の石膏の砂丘だそうです。夕刻が訪れると砂丘の景色は一変。白いキャンバスにゆっくり色を付けるように、砂丘がピンクやオレンジ、青へと染まっていく、幻想的な景色を楽しみました。
地球で最も大きいと言われる生命体に出会うため、カリフォルニア州の「セコイア国立公園」へ。そこは、まさに巨人の森。直径11m、高さ83.5mにそびえる“シャーマン将軍の木”が雄大な姿で待ち構えていました。わずか数ミリ程の小さな種が、地球で最も大きな生命体になるまで成長する秘密は、木にとって最大の障害である火を味方につけること。“シャーマン将軍の木”は、100を越える山火事を生き抜き、山の養分を独占することで、今も成長し続けていると言います。世界最大の生命体の驚異の生命力に圧倒される旅でした。
ユタ州のシーダーシティでガイドさんと合流し、ブライスキャニオン国立公園へ。雨水や川の流れによって削られた、独特の形をした岩の柱が無数に林立する様は圧巻でした。時間帯によって様々な風景を見せるというブライスキャニオン。夕方まで待ってみると、その岩の柱は夕日を浴びて、まるで燃え立つ炎のように輝きだしました。そして、太陽が沈むと、今度は岩の柱をバックに満点の星空が夜空を覆います。岩と、太陽と、星空と。荒野の真ん中で大絶景を堪能しました。
北米大陸で最も古い歴史を持つ湖、モノ湖へ。カリフォルニア州シエラネバダ山脈の東に、ひっそりと佇むこの湖には、まるでSF映画のような不思議な光景が広がっているんだとか。ガイドさんに案内してもらうと、湖には、“トゥファ”と呼ばれるニョキニョキと生えた真っ白な奇岩の群れが。これは、アルカリ性の塩湖の水と、湧き水による化学反応で生まれた世界的にも珍しいものだそう。でも、このトゥファが姿を現したのは、ロサンゼルスがモノ湖に注ぐ水を町へ引き、湖が干上がってしまったため。環境破壊が生んでしまった神秘の光景なんだそうです。燃え立つように染まる湖の夕暮れ、満月とトゥファが見せる光景は地球にいるとは思えないものでした。
先住民・ナバホ族のガイドの方に案内してもらい、アリゾナ州の砂漠の峡谷・アンテロープキャニオンへ。ひび割れた大地の裂け目から地下に降りていくと、そこには、不思議な岩の世界が広がっていました。波うつような岩は、鉄砲水が岩を削った跡なのだそうです。そして、太陽が大地の裂け目の上を通る短い間だけ見られる、光が岩壁を照らす神秘的な風景。まさに、大地が生んだ芸術でした。
世界最大級の虹色の泉を求め、イエローストーン国立公園へ。あちこちで湯気が立ち上り、大量の熱水が空高く吹き上がります。一帯は、ロッキー山脈の火山地帯で、間欠泉や温泉など、様々な熱水現象が見られるのだそうです。さらに先を進むと、神秘的な色の泉が現れました。ふちはオレンジ色で、中心に近づくにつれ、緑色から深いブルーになっています。水温ごとに異なる微生物が生息し、大量に集まることで、虹色に見えるのだそうです。世界最大級の熱水の泉、「グランド・プリズマティック・スプリング」は圧巻!小さな命が生んだ、驚くべき風景をみる事ができました。
訪れたのは、マッキンリーの麓の町、タルキートナ。登山隊のみなさんが、マッキンリーのビューポイントを教えてくれたのですが、曇りのため、その全貌をみる事はできません。そこで、教えてもらった遊覧飛行のツアーへ向かうことに。アラスカの雄大な平原を眺めながらの、空の旅。北米大陸の最高峰・マッキンリーが姿を現してくれました。真っ白な雪化粧をまとったアラスカ山脈の山々。一面に広がる銀世界。雄大な地球の素顔に圧倒された旅でした。