毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅のはじまりはバリ島の州都デンパサールです。メインストリートを歩いていると朝市が開かれていました。色とりどりの野菜や果物を味わいながら市場を散策していると、お花の売り子さんに出会います。色鮮やかなそのお花は「チャナン」というお供え物。バリ島は島民のほとんどがバリ・ヒンドゥー教を信仰しており、日課のお祈りに欠かせない大切なお供え物なんだそうです。そのチャナンの売り子さんには大好きなお祈りの地がありました。それは、「タナロット寺院」。海の上に浮かぶ美しい寺院だそうです。
旅のルートを決めるために旅行会社を訪れると、そこでも、バリ随一の絶景が見られる場所として「タナロット寺院」をおすすめされました。満潮時には海に浮かんでいるように見え、干潮時には道が出来るその姿から“バリのモン・サン・ミッシェル”とも呼ばれるそうです。さっそく、タナロット寺院を目指すことにします。
車でタナロットに向かう道中に美味しいシーフードが食べられる「チャングービーチ」があると聞きちょっと寄り道です。サーファー達が気持ち良さそうに波に乗るビーチを抜け、辿り着いた浜で漁師さんと出会いました。その漁師さんによると、タナロット寺院は海の神様を祭っているため地元の漁師さん達にとって大切な祈りの場所なのだそうです。そして、その漁師さんのバイクにのってタナロット寺院へ・・・
たどり着くと、時は満潮。海に浮かぶタナロット寺院の荘厳な美しさに魅せられました。そして、満潮から干潮へ変化する時を刻々と待つと・・・やがて赤茶げた、寺院へと続く道がゆっくりと現れました。できたての道を渡り、そこで僧侶に出会い、寺院の内部へ・・・。そこでは、500年以上に渡って守られて来た神聖なほこらに祈りを捧げる人々の姿と雄大な海が広がっていました。
タナロット寺院の周りを散策していると、バリの伝統舞踊“ケチャ”を練習しているダンサーと出会いました。子供の頃からタナロットで踊ることが夢だったと言うそのダンサーに導かれ、“夕日が沈むその瞬間に神々が舞い降りてくる”というサンセットポイントへ向かいます。そこにはまさに“神々が舞い降りる”と称するにふさわしい神々しい光に満ちた絶景が広がっていました。
沈んでいく夕日とタナロット寺院に向けて、祈りの舞を捧げるダンサー。タナロット寺院の日没は何百年もの間、この地に生きる人々のパワーの源であり続けているのです。