毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の旅は、地中海の宝石と謳われる、マルタ共和国。三つの島からなる小さな国です。まずは美しい町並みが世界遺産にも登録されている首都ヴァレッタへ船で向かいます。マルタの伝統的な船ルッツを操る穏やかな船頭さんのご案内で、ヨーロッパ随一の美しい港をクルーズ。そして興味深いこの街の歴史を知りました。16世紀にマルタ騎士団がトルコ軍から守るために、築き上げられた城壁がヴァレッタの街を囲んでいます。そそり立つ城壁を見て、城塞都市と呼ばれる理由がわかりました。そして、船を降り街の中心へ。古い家々がぎっしりと並ぶ街。それぞれの外壁が太陽に照らされ、蜂蜜色に輝いています。この個性的な美しさを演出しているのはマルタストーンと呼ばれるこの国特有の石。ほとんどの建物がこのマルタストーンで建てられているから、こんなにも素敵な色に輝いているんですね。建物を抜けて行くと、街中に響き渡る鐘の音が…。心地よい鐘の音に導かれ、たどり着いたのはマルタ騎士団が作り上げた聖ヨハネ大聖堂。中に入ると金箔が施されたモニュメントが聖堂内を埋め尽くしています。その眩しさには圧倒されましたが、これも外壁にマルタストーンが使われた教会だから、出せる輝きなのだとか。そして夕方。対岸から見るヴァレッタの街並みは夕日で真っ赤に染まった後、ライトアップされていきます、幻想的な首都ヴアレッタの絶景・・・。いつまでも見続けたい、景色でした。
首都ヴァレッタから車で20分。マルタ島の郊外に向かうと見えてきたのが青の洞門です。
車を降り近付くと、眼下に広がるゴツゴツした岩肌の青の洞門と青い海。マルタの大自然を感じました。そして、ボートに乗りクルーズへ。間近に迫る迫力の崖の数々。ボートに乗って10分後、出迎えてくれたのは天高くそびえる壮大な天然のトンネル青の洞門。マルタストーンの岩が風と波によってえぐられ作られたものでした。青く透き通る地中海に描かれた大自然の芸術作品に心を奪われました。
マルタ島からフェリーで30分。降りたったのはマルタストーンの故郷とも言われるゴゾ島。
ゴゾ島は良質なマルタストーンが産出する、マルタの人々にとって大切な地。さらに世界で最も古く世界遺産にも登録されている巨石神殿ジュガンティーヤ遺跡。マルタで生きた古代の人々の息吹を感じることができました。そしてゴゾ島の西端に、マルタ最高の観光スポットとして、訪れる人を魅了し続ける天然のアーチ、アズール・ウィンドーがあります。夕刻に訪れると夕日によってアズール・ウィンドーは濃い蜂蜜色をしていました。さらに、照らされるアズール・ウィンドーが見渡せるようにマルタストーンで作られたマルタ騎士団の監視塔が。マルタに生きた人々に想いを馳せながら、目に焼きついて忘れられない美しい景色でした。