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地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回はカンボジアの旅。アンコールワットのある町シェムリアップから、東南アジア最大の湖「トンレサップ湖」を巡り、世界遺産の寺院「プレアビヒア」を目指します。
アンコールワットの町、シュムリアップ。のんびりとトゥクトゥクで町の中心部を目指します。アンコールワット遺跡を横目に見ながら着いたのは、オールドマーケット。お土産屋や干物屋など、この町の人たちにとっても大切な市場です。この町は魚の宝庫。その魚は近くにあるトンレサップ湖でとれたものだそう。そして、漁民たちは水上で生活をしているとのことです。
森林と湖、そして暮らし。どんな湖なのか興味がわきました。
シュムリアップからトゥクトゥクで30分。静かな農村を抜けると巨大な湖が姿を現しました。早速、船のり場で水上の村へ移動することに。その村までは、船で2時間。いかに湖が大きいかがわかります。トンレサップ湖は東南アジアで最大だそう。村は、船の上に家屋がついた家などが湖上に浮かぶんでいます。村長によると、ほとんどが漁師。学校も水の上です。
漁師の一人からお薦めの絶景を聞きました。夕日が沈む頃、湖面が赤と黒のグラデーションに変わり、湖上を走る船がシルエットになってとても綺麗だそう。湖上で夕暮れをまつことに。日が傾き始めると、揺れる湖面が赤みを帯びてきました。そして真っ赤な空と赤い湖を1艘の船がシルエットとなって横切っていきます。まさに、この瞬間しか見られない絶景でした。
シュムリアップから車で3時間。2011年に世界遺産に登録された寺院遺跡のプレアビヒアへ。山頂に建つ寺院からは眼下に広大な緑の大地と地平線が一望できます。まずは、寺院跡を案内してもらうことに。ところどころに崩れている建物は、カンボジアの内戦で崩壊したもの。まだ紛争の爪あとが残っていました。実はこの遺跡、世界遺産登録を巡って、タイとカンボジアの間で紛争が起こっていたというものだそう。2度の戦火を越えて、今は平和の時間の中、多くの観光客がここを訪れています。寺院は1000年も前に建てられたとのこと。当時の彫刻が時空を越えてつい最近掘られたように完璧に残っていました。
そして、絶景のポイントへ。眼下に広がる緑の大地と地平線が澄み渡ります。さらに夕暮れには、淡い赤の空が大地との境目を、綺麗なグラデーションに染めていく。1000年前から変わらぬ風景に平和である今を感じた絶景でした。