毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりはイギリス。首都のロンドンちょっと歩くだけで、いくつもの世界遺産を目にすることができます。まず見つけたのは、英国国会議事堂、またの名をウェストミンスター宮殿と時計台ビッグベン。150年以上に渡りロンドンっ子たちの時を刻み続ける時計台の姿は圧倒的な存在感がありました。次に見つけたのは、タワーブリッジとロンドン塔。ロンドン塔には数多くの女王が処刑されたという歴史があり、その亡霊がさまよっているとか……イギリス人はそうした神秘的なものやミステリーが大好き。
そこで、更なるミステリーを求めて目指したのは、イギリス最大の謎といわれているストーンヘンジ。
およそ4500年前に建てられたという遺跡。その目的も、そして誰によって造られたかも、全てが謎に包まれているといいます。
そばに立ち、眺めていると次第に晴れ間がのぞき、空には光りと雲の描く不思議な模様が…そんな幻想的な空の下で、ストーンヘンジのミステリーに思いを馳せたのでした。
更に謎めいた世界遺産を求めて向かったのは、北アイルランド。巨人伝説の残る不思議な形の岩の絶景です。
ベルファストから車でおよそ1時間。北海岸に面したジャイアンツ・コーズウェーにやってきました。これは、6000年前に4万本もの玄武岩の道が海に突き出て、まるで土手のように敷き詰められた場所。しかも、その形が六角形に近いのです。
ところどころ、岩が突き出た柱状の塊もたくさんあり、地球のパワーを感じます。遠い昔の地殻変動が生んだ不思議な“道”。巨人が海を渡るために造られた道、という伝説が本当のように思える一時でした。
次に向かったのは、世界遺産の宝庫、イタリア。まずはイタリア北部からめぐりました。最初に訪れたのは、花の都フィレンツェで馬車に乗って世界遺産観光。ピッティ宮殿からサンタ・マリア・ノヴェッラ教会をめぐった後は、町のシンボル、ドゥオーモの上へ。大パノラマで眺める古都は格別な絶景でした。
次に目指したのは大自然の世界遺産、ドロミーティです。山岳ガイドと合流してトレッキングをしました。少し歩くと目の前に大きな岩山。サッソ・ルンゴ、サッソ・ピアットと呼ばれる世界遺産の山。更に進んで急な道を上りたどり着いたセラウサスの頂上からは、ドロミーティが誇る世界遺産の山々を眺めることができました。
次に向かったのはスペイン。「もしスペインに1日しかいられないのなら、迷わずトレドへ行け!」の言葉通り、古都トレドを目指しました。ここは16世紀、マドリッドが首都になる以前に1000年にわたり都が置かれた町。広場を目指して進むと、トレドのシンボルにしてスペインの三大カテドラルの1つとされるトレド大聖堂が目に入ってきました。90mもある塔の姿を写真に収めようと、みな床にねっ転がって撮影していました。
町を走る不思議な乗り物を見つけて乗ってみると、城門を抜けて町の外へ。旧市街を一望できるスポットへと連れてきてくれました。1000年の栄華を誇った古都は中世の面影の残る美しい町でした。
トレドを後に向かったのは、悠久の大地ギリシャ。降り立ったのは、紀元前からあるデルフィ遺跡。まだ夜が明ける前に訪れ、人々がかつて運命を占った神殿で朝日を眺めました。
その次に向かったのは、切り立った岩山がそびえ立つメテオラ。目指すは岩山の上に建つ修道院。崖を登り、たどり着いた修道院は、風の音しか聞こえない静寂の空間。壁も天井も聖なる絵画で埋め尽くされて、自然と厳かな気持ちになりました。
修道院を出て、岩山を歩いていると、礼拝堂でお祈りをしていた方と再会。メテオラが美しく見える場所があると、連れていってもらいました。
かつてこの場所は大きな湖で、大地震によりその水が全て海に流れて岩山だけが残った大地。沈みゆく太陽が投げかける最後の光に、その悠久の時間と、そこを祈りの場として選らんだ人々へ思いを馳せました。
今度は、暖かいイタリア南部の世界遺産巡りへ。まずはイタリア南部の首都ナポリへ。高台から町を望むと、まっすぐに伸びる道を発見。実はこれ、スパッカナポリという名の目抜き通り。ここに面した界隈が旧市街で世界遺産になっているのです。早速古い石畳を歩きながら探検。紀元前のギリシャ時代の町並みが残り情緒にあふれています。美味しそうなスイーツや、名物のピザなどを眺めた後は、ちょっと人々の暮らしを。
通りを歩いていると何やら上からバケツのようなものが。上の階に住む人々が、下まで降りずに必要なものを受け取るための生活の知恵なんだそう。
次に見つけたのは、青空にはためく色とりどりの洗濯物!!わずかな隙間を利用して、巧みに洗濯物を干していました。
歩けば何か発見のある、面白い町ナポリを後に向かったのは、美しい海岸、アマルフィ。海に沿って小さな町が連なり、絶壁には張り付くように家々があります。海岸沿いを散歩がてら歩いて、まずはアトラーニ村へ。狭い土地にぎっしりと家々が建ち並んでいます。でも、人が全くいません。聞けば今は昼食後のお昼寝タイムなんだとか。とっても静かな細い路地を進むと…おてんば姉妹に遭遇。静まり返った町に、かわいい声が響きました。
そして夕方、ロマンチックな絶景が見られると聞いて、別の町ポタジーノを目指しました。海がばら色に染まる頃、町の明かりが1つ、また1つとともり始めました。そして、断崖の村ならではのロマンチックな風景が目の前に広がったのです。まるで山にロウソクを灯したような、幻想的な絶景でした。
次に向かったのは、黒海に面したグルジアで二つの世界遺産へ。まずはグルジアの古都ムツヘタを訪ねます。ここはかつての首都で、今はグルジア正教の重要な地。そこにある教会と修道院を訪れました。
そして向かったのは、アッパースヴァネティ地方にあるメスティア。ここには「塔の家」と呼ばれる、高い石の塔が数多く残る地域。夜、それぞれの塔がライトアップされた風景はとても神秘的でした。
旅の最後は、白銀の世界、スイスアルプスの雄大な大自然へ。
まずは首都ベルンから登山列車に乗ってアルプスを代表する三峰、アイガー、メンヒ、ユングフラウの雄姿を眺めた後、更に登山列車を乗り継いで、ヨーロッパ一標高の高い駅、ユングフラウヨッホへ。展望台からはヨーロッパ最長の氷河、アレッチ氷河を望み、厳しい自然の造り出す壮大な風景に胸を打たれたのでした。