毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりはロワール川が大西洋に注ぎ込む河口近くの町、ナント。ここはかつてブルターニュ公国の都でもありました。現在はフランス一、カルチャーが活発な町としても知られています。その中でも住民、観光客ともに楽しませてくれると話題のあるアトラクションを訪れました。それは高さ12mもある、機械仕掛けの巨大な象!実はこの象の中に乗って町中を散歩する事が出来るのです。さっそく挑戦すると、象は「パオーン!」と鳴きながらゆっくりと道を進んで行きます。さらに驚くことにこの象、下の歩行者に向かって鼻から水を撒くんです。これには子どもたちも大はしゃぎでした。古都、ナントはまるで未来のようなユーモアを含んだ町でした。
ナントを後にいよいよ絶景を探す旅が始まります。目指すはロワール川沿いに佇むという古城の数々。実はロワール地方は、その渓谷にフランスを代表する美しい古城が100以上も点在しています。そのため、「フランスの庭」とも呼ばれているのだそうです。その中で選んだ一つ目の目的地はロワール川沿いに佇む、”アンボーワ−ズ城”。王侯貴族が居住したという城の城館は世界遺産にもなっています。
さらに意外と知られていないのが、このアンボワーズにイタリアルネッサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチがいたということ。15世紀フランス国王フランソワ1世に気に入られ、このアンボワーズの地で晩年を過ごしたのだそうです。お城の礼拝堂にはダ・ヴィンチのお墓が眠っていました。そしてアンボワーズ城の一番のハイライトは城の塔から眺めるロワール川。実はダ・ヴィンチはここの美しい水辺を眺めながら、数々の天才的な発想を構想していたのではないかと言われているのです。500年以上の時を超えて、ロワールの穏やかな水辺に思いを馳せるひとときでした。
絶景のクライマックスはロワール最大にして、最も豪華絢爛と言われる白亜の古城”シャンボール城”。これは15世紀の国王フランソワ1世の絶対王権を象徴するお城と言われています。シャンボールの見所は”夜明け”という情報を仕入れ、真っ暗闇の中、静かに日の出を待ちます。やがてゆっくりと太陽が顔を出すと…現れたのは左右均等、無数の尖塔のフォルムが美しい白亜の古城でした。朝もやに包まれ、まるでゆっくりと夢から目覚めたかのように佇んでいます。まるで王のように雅やかで美しい姿に、ただただ圧倒されるのでした。