毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
まさに燃えるような太陽。ここは中東ヨルダン。今回訪れたペトラ遺跡はヨルダンが世界に誇る最も有名な巨大遺跡。その玄関口が、ここワディ・ムーサの町。首都アンマンからバスに揺られて約3時間。やっと到着しました。街の中は世界中から訪れた観光客で年中賑わっています。一度ペトラ遺跡を見たら、必ず再び訪れたくなるそうです。街の人の話では「遺跡を全部見て歩いたら2週間はかかります」とのことでガイドをつけておもな見所を回るのが主流だとか…。喧噪のワディ・ムーサの街を抜け、早速、遺跡へ…。
ミスマールさんは、親切な男性ガイドさん。巨大なペトラ遺跡をたった一日で回りたいという私の希望にこたえてくれました。ミスマールさんが独自にガイドや遺跡で働く現地の人に調査した「遺跡BEST3」というのがあって、急ぎ足で回れば二週間分を一日で堪能することができるとか。まず向かったのが、大ヒットしたハリウッド映画のロケ地として知られるエル・ハズネ。巨大な岩が作り出した細い回廊の先に突如現れる巨大な神殿。大自然の力を利用した迫力に圧倒されます。まさに、壮大な映画のワンシーンに迷い込んだような風景です。
そして…、次は王家の墓。これも巨大な岩山に刻み込まれた、12の墓。天国へ昇る階段も彫られています。そのスケールの大きさに、ただ驚くばかり。そして、最後はペトラ遺跡最大の遺跡、エド・ディル。王家の墓から坂道を延々歩いて4時間…。しかも1000段もの階段をのぼらねばなりません。ここではロバの力をお借りして、それでも灼熱の砂漠を2時間近く。ついにエド・ディルへたどり着きました。高さ40m。幅50m…。これまた突如現れる、超巨大な遺跡です。そして最後に案内してもらったのは、ペトラ遺跡がすべて見渡せる丘。ちょうど夕日が2000年以上も前に創られた遺跡を染め、思わぬ絶景に心躍りました。
そして、翌朝。ペトラから車で3時間。今度は「死海」へ向かいます。死海は実は海ではなく、塩の湖。ヨルダンとイスラエルの国境線上にあって、地球上で最も低い海抜420mにあります。世界的に有名なのは塩分濃度が30%と異常に濃いため、水に入るとプカプカと体が浮くこと。この塩水は昔から美容と健康にも良く、クレオパトラも入ったという神秘の湖です。
死海が最も輝くのは朝と夕方。死海がすべて見渡せる展望台「パノラマ・コンプレックス」に行ってみました。思ったよりも大きく、青い。不思議な湖の輝き…。そうか、この湖一隻も船が浮かんでいません。ガイドさんによると、死海は塩分があまりに強すぎて、船が錆び付き、航行できないそう。また魚などの生物もすめないので「死海」という名前がついたのだそうです。朝の死海…、夕方の死海…。国境にまたがる、この不思議な湖。現地ガイドのムニールさんは「神様が天国として作った場所」だと教えてくれました。