毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅は運河ツアーの船の上からスタート。運河沿いにはカラフルな建物が立ち並び、晴天の陽気に誘われるように多くの人で賑わっています。船を降り、向かったのは王宮。ちょうど衛兵交代の儀式が始まるところ。1日4回、王室を守る衛兵が交代するのだとか。威厳があって立派な衛兵たちの姿を見ることができました。王宮を抜けて目貫通りへ。すると、通りのあちらこちらに大道芸の芸人がたくさん。様々なパフォーマンスで楽しませてくれます。その一人にお薦めの絶景を聞くと、市庁舎の塔からが一番とのこと。市庁舎の塔は約105m。塔の上からは、赤レンガの建物が一面に広がったコペンハーゲンの町並みが一望できました。ガイドさんにデンマークの絶景を聞いてみるとフェロー諸島が北欧らしい風景だと教えてもらいました。草原と断崖、そして珍しい鳥がいる島もあるそうです。次の目的地はフェロー諸島へ決まりました。
フェロー諸島まではコペンハーゲンから飛行機で2時間。まずは玄関口のバーガル島へ到着です。実は、フェロー諸島はいくつかの島々が海底トンネルでつながっているため、タクシーで島巡りができるそうです。そのタクシーの運転手さんに勧められたのが、「コルトゥル島」。バイキングのかつての住居や断崖が綺麗だというので、ヘリコプターを手配して頂き、早速向かいました。コルトゥル島は、ヘリでわずか5分。草原が綺麗な孤島です。実はこの島には1人しか住んでおらず、バイキングの家の修復をしながら暮らしているそうです。そしてお目当ての断崖へ・・・・。夕暮れ時、海がオレンジに染まり、遠くの島影がシルエットに浮かび上がる頃、緑の草原が一面に延びた断崖が夕日に染められていきます。この島でたった一人暮らす人のためだけに与えられた贅沢なひととき。その貴重な瞬間を見ることができました。
翌朝、コルトゥル島は一面、霧に包まれていました。濃霧のためヘリは飛ばないので、船でミケネス島へ向かいます。ミケネス島は5月〜8月の間、繁殖のためにやってくる渡り鳥「パフィン」が多く見られる島。ガイドさんに案内されて、パフィンのいる場所へ向かいます。まだ、霧は晴れていませんが、霧の奥にパフィンが見えてきました。もっと近づいてみると、その表情はユニーク。黒い身体と白いお腹。くちばしは赤。そのコントラストがちょっとした仕草も可愛く見せてみれます。パフィンたちがいるのは、海岸に沿った緑の草原が続く険しい崖。そして、パフィンが一斉に飛び立ちました。その直後、空からは太陽の光が大地を照らしはじめます。まさに、霧が晴れるのを待っていたかのように、北大西洋の大海原に飛び立つパフィン。崖の緑、黒いパフィン、青い海、この色彩は、この時期しか見ることのできない貴重な風景です。小さな命を育む、フェロー諸島の断崖は、まさに大自然のゆりかごでした。